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聴くネタバレ映画・ドラマと英語日記

~元MC苅田三貴が見た映画やドラマを私情バンバンはさんでご紹介♪

父の隣で見たカーブ

2012-12-15 15:26:19 | 洋画ヒューマン
今年も残すところ半月余りとなり
あちこちで"今年のベスト10"なんて言葉が目に入る時期。

私も僭越ながら、いつもの様に
ひとりにやにやしながらランキングを作ろうと思っているのですが…


作るからには見ておかなければならない作品が
そんな作品の1つを見て参りました


 

人生の特等席


駆け込みで劇場に行って良かった~ぁ


クリント・イーストウッドが唯一弟子と認める
ロバート・ロレンツ初監督作品は
「イーストウッドが監督も務めた」と言われても
違和感がないほど空気感が一緒


なんて事はない。
活字にしてしまえば誰にでもありそうな
小さな山あり谷ありの人生を描いているんだけど
そこには深みと喜びが詰まっていました。


流石ベテラン…
というか、イーストウッドはもう82歳なんですってねぇ。
すごいねぇ。
彼にしか伝えられない世界観に達していますよね



長年メジャーリーグのスカウトマンをしている
ガス・ロベル(クリント・イーストウッド)

PCでデータ化し、分析するのが当たり前の今の時代でも
培ってきた経験と勘だけで
仕事を続けています。

そんな彼を"時代遅れ"だと
お払い箱にしようとする球団に対し、
まだまだ自信を失っていない彼は
キャリア最後のスカウトの旅にでる事に。


とは言え、視力が衰え、目がかすんできたガス。
長年コンビを組んできた
ピート・クライン(ジョン・グッドマン)は様子がおかしいと心配し
一人娘のミッキー(エイミー・アダムス)に連絡します。


弁護士としてキャリアを積む彼女は
母親を6歳で亡くし、
ガスとは距離のある関係…

それでも心配になり、
仕事より優先させて訪ねるのですが
不器用な父は素直に受け入れず…


クリント・イーストウッドだからこそ伝えられる人生の風景を
愛弟子のロバート・ロレンツ
父と娘を通して描いた心温まるヒューマン・ドラマです















順番を考える前に見ておいて良かったと書いたのは
当然のごとく素晴らしく
個人的には今のところ、
洋画でベスト3に入るなぁと思ったから

あの超大ヒット話題作を来週見に行くので
それで決めますが


何でしょうね、この安心感。
きっとイーストウッドは皆が見えるもの、
全て見えているんじゃないかしら。
見えて"いない"じゃなく、見えて"いる"もの。


実際全世界の親子がどれくらい自信を持って
"上手くいっている"と言えるのか
私には皆目見当が付きませんが
1度も対立したことがない親子なんていないでしょう、きっと。

その対立がどれほど続くのかは様々ですが
切っても切れない繋がりがそこにはある。

それが親子であり、家族。


ミリオンダラー・ベイビー(05)でも
同じ様な事を感じたなぁ。

グラン・トリノ(08)でも
ウォルトは子供や孫とあんまり上手くいっていない感じだったけど
イーストウッドはこんな風に確執のある親子をよく描いている気がする

もしかして彼にとっては
これが1つのテーマなのかしら
もちろん今作の監督はロレンツですが。


と、気が付けば抽象的な事ばかり書いていますが
具体的に良かった所を挙げると
ミッキーがDNAを受け継いでいた点。


子供ってたぶんとってもシンプルで
ただ一緒に居たいだけなんですよね。
客観的に自分にとって
"最善の方法"だとか面倒臭い理屈抜きで居たいだけ。

だからジャンクフードばっかり食べていたり、
子供によろしくない飲み屋に出入りしていたりしたって関係ない。
お父さんがじっと見ていた野球を
ただ一緒に見ていたかった。
お父さんの隣が"特等席"だった…

うん。良い邦題だな。

そして共に過ごした時間があったからこその
あのラスト…


携帯も捨てちゃってね
心が晴れ渡らなかったら嘘です。
腹黒い私もこの時だけは
爽やかな風を感じました


ジョン・グッドマンアルゴ同様
存在感ありまくりです。
このおじさん好きだわ~


という訳で他のイーストウッド作品同様
年を重ねたらまた観たいと感じる映画でした。

自分は残念ながらもう若くはないと思うあなた
是非劇場でどうぞ


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