聴くネタバレ映画・ドラマと英語日記

~元MC苅田三貴が見た映画やドラマを私情バンバンはさんでご紹介♪

人生とは痛いもの

2009-04-02 23:34:43 | 邦画ヒューマン
1人で家で見ていたにも係わらず、見終わった後には思わず拍手
今年見た中(DVDも含め)では、1番かな

第32回日本アカデミー賞では「おくりびと」が賞を総なめする中
見事木村 多江さんが最優秀主演女優賞を受賞しました。

自らのうつとも闘いながら、6年振りの新作となる橋口 亮輔監督作品

ぐるりのこと。 

この「ぐるり」とは自分の周り、
また自分を取り巻く環境のことです。


大学時代からくっついたり、別れたりを繰り返していた2人。
翔子(木村 多江)の妊娠をきっかけに
佐藤 カナオ(リリー・フランキー)達は結婚。

カナオはちょっと女性にだらしなかったり
なりゆきで法廷画家になったりと
多少の心配はあったものの、何とか上手くいっていました。

ところが生まれてすぐの娘を亡くすと
翔子はうつ病になり、夫婦関係もきしみ始めます。

90年代に起きた地下鉄サリン事件、池田小児童殺害事件
阪神淡路大震災など、酷くて忘れ難い事件をも描き出し
(映画の中では名称は異なります)
1組の夫婦が向き合う10年を綴る物語です。




痛いな~。
生きるって痛いなぁ。。

最初に翔子と同僚が足つぼマッサージされていて
「痛たたた~」って叫びながら
タイトルに移るんだけど
「人生とは痛いものだ」と象徴しているみたい。

最後には希望の持てる作品ですが、途中しんどい

特に私も勝手に1人で考えすぎて、1人で悩んで
どんどん内に入っていく性格だから
翔子は他人に思えなかった。

ボロボロに精神がまいって、壊れて
「何で私と一緒に居るの~?」って
カナオにくってかかるシーンなんてすごくリアル。
カナオはそれをちゃんと受け止めていて素敵だった

もともと日本画家を目指していたけど挫折し
流されて法廷画家になった。
法廷画家というのは、ほらテレビでは裁判を映せないので絵が出てきますよね
その絵を書く人です。

経済的にも不安定で
翔子の親族はこの人で大丈夫なのかと心配していた。

けれど人の死とか、お金の問題とか
1番人間性が出る場面で
カナオは凛としていて、素晴らしいたたずまいだった。
頼りがいがあるってこういう人だろうなぁ。


そしてこの作品の要の1つは
カナオが法廷画家だという事。

仕事で絵を描いているので、結構客観的に物を見ています。

娘が殺されて、悲しみにくれ怒り狂っているはずなのに
真っ白なピンヒールを履いている母親なんて、妙にリアル。
よしおかはこのシーンすごく印象深かった。

何だか良いも悪いも紙一重で
すべてがつながっている気がしました。
まさに恐ろしい犯罪者と罪の無い被害者が
同じ法廷という空間にいる様に。

その他にも人生の教訓が一杯詰まっているし
好きなシーンも一杯。

きっと幸せも不幸せも
自分の周りをぐるりぐるりと回っているんでしょうね。
だから人は生きていけるし
生きていかなければならないのでしょう。

それにしてもこんな夫婦に憧れます。
というかカナオの様な旦那さんがいいな


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