みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1425「しずく200~援軍」

2023-10-21 17:33:41 | ブログ連載~しずく

 それは一瞬(いっしゅん)の出来事(できごと)だった。アキを狙(ねら)っていた棍棒(こんぼう)が何かに弾(はじ)き飛(と)ばされたのだ。下には水木涼(みずきりょう)が持っていた剣(けん)の柄(つか)が転(ころ)がっていた。エリスはバカにするように言った。
「ほんとにバカね。自分(じぶん)の武器(ぶき)を捨(す)てるなんて。もうあきらめるのか?」
 涼は思わずやってしまったのだ。アキを助(たす)けるためにはそれしか思いつかなかった。敵(てき)が一斉(いっせい)に涼に向かって行く。涼にはもう防(ふせ)ぎようがなかった。だがどういうわけか、涼に近づいた敵は次々(つぎつぎ)と弾かれ倒(たお)れていく。涼の前に、神崎(かんざき)つくねが姿(すがた)を現した。
 涼が言った。「もう、遅(おそ)いよ。何やってたんだよ」
 つくねは涼に背(せ)を向けたまま、「こっちも、いろいろあったのよ。でも、間(ま)に合ってよかったわ。あとは、あたしに任(まか)せて」
 つくねは残(のこ)っている敵に向かって行った。同時(どうじ)に、アキたちを狙っていた敵の前には、柊(ひいらぎ)あずみが現れていた。二人で敵を倒すのにそれほど時間はかからなかった。一人になったエリスに怯(ひる)んだ様子(ようす)はなかった。エリスはひとり言のように呟(つぶや)いた。
「ほんと使(つか)えないヤツらばかりだわ。まぁ、あてにはしてなかったけど…」
 突然(とつぜん)、エリスが叫(さけ)んだ。「カラス! いつまで見てるの! 手を貸(か)しなさい! まったく、どういうつもりよ。言わなきゃ何もしないなんて…」
 エリスの隣(となり)に黒い影(かげ)が現れた。そして、すぐに消(き)えてしまった。
<つぶやき>見えないヤツが現れたのか? 果(は)たして、みんなはどう戦(たたか)うのでしょうか?
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1420「しずく199~怪獣対決」

2023-10-01 17:54:26 | ブログ連載~しずく

 巨大(きょだい)トカゲは月島(つきしま)しずくに狙(ねら)いをつけたようだ。ゆっくりと近づいて射程(しゃてい)に入ると口から舌(した)が飛(と)び出した。しずくはそれを瞬時(しゅんじ)にかわして、川相姉妹(かわいしまい)に言った。
「わぁ、すごいじゃない。でも、あの舌に触(さわ)られるのはちょっとねぇ」
 しずくはイヤそうな顔をしているが、どこか楽(たの)しげである。初音(はつね)は呆(あき)れて言った。
「もう、ふざけないでよ。こいつを何とかしないと、あたしたち食べられちゃうのよ」
「大丈夫(だいじょうぶ)よ。だってここは幻覚(げんかく)の世界(せかい)よ。そうだ。こんなのどうかしら?」
 しずくが手をかざすと、そこに…これも巨大なヒキガエルが現れた。
 琴音(ことね)が思わず呟(つぶや)いた。「うわ~ぁ、もうやめてよ。気持(きも)ち悪(わる)い…」
 ここに、まるで怪獣映画(かいじゅうえいが)のようなトカゲとヒキガエルの対決(たいけつ)が始まった。
 場所(ばしょ)が変(か)わって、水木涼(みずきりょう)たちに敵(てき)が迫(せま)っていた。涼は貴志(たかし)に叫(さけ)んだ。「アキを守(まも)って!」
 敵は階段(かいだん)を上がり近づいて来る。貴志は工具(こうぐ)を手に身構(みがま)えた。アキは能力(ちから)を使って日野(ひの)あまりを助(たす)ける手立(てだ)てを探(さぐ)っていた。涼に敵が向かってくる。涼は剣(けん)を使って攻撃(こうげき)をくい止(と)めた。そして、二人の方へ助けに行こうと奮闘(ふんとう)する。貴志も敵を近づけまいと防戦(ぼうせん)を…。
 貴志が敵を階段の所まで押(お)し戻(もど)すと、アキの近くに敵が姿(すがた)を現した。そして、アキに向かって手にした棍棒(こんぼう)を振(ふ)り下ろした。
<つぶやき>これ、絶体絶命(ぜったいぜつめい)なんじゃないですか。アキはやられてしまうのでしょうか?
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1415「しずく198~不意打ち」

2023-09-11 17:29:12 | ブログ連載~しずく

 大小さまざまなものがエリスめがけて飛(と)んで行く。エリスは瞬間移動(しゅんかんいどう)で次々(つぎつぎ)とかわしていく。そして、水木涼(みずきりょう)のすぐ目の前に姿(すがた)を現した。完全(かんぜん)に間合(まあ)いを取られてしまった。エリスは不気味(ぶきみ)な笑(え)みを浮(う)かべて、涼の胸(むね)をめがけてナイフを振(ふ)り下ろした。
 まさにその時だ。エリスは呻(うめ)き声をあげてその場から離(はな)れた。血(ち)がぽたぽたと床(ゆか)に落ちる。ナイフを持ったエリスの手にペンが突(つ)き刺(さ)さっていた。エリスはナイフを落とすと、激(はげ)しい怒(いか)りの表情(ひょうじょう)でペンを引き抜(ぬ)いて投(な)げ捨(す)てた。涼はすぐさま駆(か)け出して、エリスに攻撃(こうげき)を仕掛(しか)けた。だが、エリスは姿を消(け)して離れた場所(ばしょ)へ移動する。
 涼は向き直(なお)ると息(いき)を整(ととの)えて言った。「大きなものに気を取られて気づかなかったでしょ。私は、そう簡単(かんたん)には倒(たお)せないわよ。そのつもりでかかってきなさいよ!」
 突然(とつぜん)、エリスが笑(わら)い出した。そして、まるで勝(か)ち誇(ほこ)ったように言った。
「あなた、バカなの? あなたは勝てないって言ったでしょ」
 エリスの回りに次々と敵(てき)が姿を現した。二十人はいるだろうか、みんな能力者(のうりょくしゃ)だ。その半分(はんぶん)が、アキや貴志(たかし)がいる方へ向かって行く。涼は思わず叫(さけ)んだ。「卑怯(ひきょう)だぞ!」
 エリスは、「何を言ってるの? これは戦(たたか)いよ。ルールなんてないの」
 涼は周(まわ)りを取り囲(かこ)まれた。飛べない涼は、アキたちを助(たす)けに行くこともでない。涼は覚悟(かくご)を決めたように呟(つぶや)いた。「落ち着いて…。いま、できることをやるだけよ」
<つぶやき>涼はこのままやられてしまうのか。それとも、起死回生(きしかいせい)の一手(いって)はあるのか?
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1410「しずく197~命がけ」

2023-08-21 17:39:52 | ブログ連載~しずく

 水木涼(みずきりょう)はエリスと対峙(たいじ)した。涼は貴志(たかし)から受け取った武器(ぶき)のボタンを押(お)す。すると、青白い光が飛(と)び出した。でも、それはすぐに折(お)れそうな小枝(こえだ)のようだった。
 貴志が叫(さけ)んだ。「能力(ちから)を刀(かたな)に集中(しゅうちゅう)させて!」
 涼は肯(うなず)くと、能力を刀に向けた。すると光が強く、太(ふと)くなっていく。涼は刀を身構(みがま)えた。エリスは表情(ひょうじょう)ひとつ変(か)えずに、不敵(ふてき)な笑(え)みさえ浮(う)かべて言った。
「そんなんでいくら頑張(がんば)っても、私には勝(か)てないわよ。それでもいいの?」
「そんなこと…やってみなくちゃ分からないわよ」
 涼はエリスに向かって行った。エリスは涼の刀をかわしながら間合(まあ)いを詰(つ)めていく。そして、涼に一撃(いちげき)をくらわした。涼の身体(からだ)が宙(ちゅう)を飛び地面(じめん)に叩(たた)きつけられた。だが、涼はすぐに起(お)き上がると、また刀を構(かま)えた。涼の顔は、痛(いた)みをこらえているようだ。
 エリスはナイフを出すと、「お遊(あそ)びはここまでよ。どうする? もう次(つぎ)はないわよ」
 涼は考(かんが)えた。まともに戦(たたか)えばやられてしまう。こうなったら一か八(ばち)かよ。涼は片手(かたて)をかざした。すると、周(まわ)りにあるものが動き出した。そして宙に舞(ま)い上がった。
 エリスは息(いき)を吐(は)くと、「最後(さいご)のあがきね。そんなんで私を止(と)められると思ってるの?」
 浮(う)かび上がったものがエリスめがけて飛んで行く。同時(どうじ)に、涼も駆(か)け出した。
<つぶやき>涼は勝つことができるのか? ここは負(ま)けるわけにはいかないよね。頑張れ!
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1405「しずく196~餌」

2023-08-01 17:28:13 | ブログ連載~しずく

 ここは幻覚(げんかく)の世界(せかい)。川相初音(かわいはつね)と琴音(ことね)は苦戦(くせん)していた。巨大(きょだい)トカゲに近づくことができないのだ。トカゲの背後(はいご)に瞬間移動(しゅんかんいどう)しても、どういう訳(わけ)かすぐに攻撃(こうげき)を受けてしまう。太(ふと)いしっぽが飛(と)んで来たり、長い舌(した)がまるで矢(や)のように向かってくる。
 二人は体力(たいりょく)を消耗(しょうもう)していた。それは一瞬(いっしゅん)の出来事(できごと)だった。ちょうど琴音が空中(くうちゅう)に留(とど)まっていたとき、トカゲの舌が琴音を捕(と)らえたのだ。琴音は地面(じめん)に叩(たた)き落とされた。そして舌が巻(ま)き取られていく。トカゲの口が目の前に迫(せま)ってきた。琴音はとっさに能力(ちから)を使い舌を切り落とした。そして、初音の近くへ飛んだ。
 トカゲの舌はすぐに再生(さいせい)されて元通(もとどお)りになる。そして、二人に向かって突進(とっしん)してきた。初音が壁(かべ)を作って何とかくい止める。でも、初音の能力(ちから)は弱(よわ)まってきていた。あとどれだけもつか分からない。トカゲはいったん下がると、二人の周(まわ)りをゆっくり回(まわ)り始めた。このままでは、間違(まちが)いなくあのトカゲの餌(えさ)になってしまう。
 その時だ。二人の前に月島(つきしま)しずくが現れて、のんきそうに声を上げた。
「これ、すごいね。こんなの初(はじ)めて見たわ。でも、可愛(かわい)い顔してるわよね」
 初音が怒(おこ)ったように、「もう、なに言ってるのよ。こっちは大変(たいへん)なんだから…」
 しずくは岩(いわ)の上にいるメイサに目をやると呟(つぶや)いた。「やっぱり、あなたね」
 メイサは不敵(ふてき)な笑(え)みを浮(う)かべて、「これはこれは、餌が増(ふ)えちゃったわ」
<つぶやき>しずくはトカゲをやっつけられるのか? メイサとの戦いが始まるのか…。
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