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桂望実「平等ゲーム」

2009年11月17日 | か行の作家

瀬戸内海に浮かぶ「鷹の島」そこでは島民1600人が全員平等
人々は嫉妬や私欲にかられることなく豊かな生活を約束されている
まさに天国
のはずだった

古今東西、ユートピア建設は何度も試みられ、その度に失敗してきた

今も残っている武者小路実篤の新しき村を連想しました
以下は財団法人新しき村HPより
・全世界の人間が天命を全うし各個人の内にすむ自我を完全に生長させることを理想とする。
・その為に、自己を生かす為に他人の自我を害してはいけない。
・その為に自己を正しく生かすようにする。自分の快楽、幸福、自由の為に、他人の天命と正しき要求を害してはいけない。
・全世界の人間が我等と同一の精神をもち、同一の生活方法をとることで、全世界の人間が同じく義務を果せ、自由を楽しみ、正しく生きられ、天命(個性をふくむ)を全うすることが出来る道を歩くように心がける。
・かくの如き生活をしようとするもの、かくの如き生活の可能を信じ、それを全世界の人が実行することを祈るもの、又は切に望む者、それは新しき村の会員である。我等の兄弟姉妹である。
・されば我等は国と国との争い、階級と階級との争いをせずに、正しき生活にすべての人が入ることによって、入ろうとすることによって、それ等の人が本当に協力することによって、われ等の欲する世界が来ることを信じ、又其為に骨を折るものである。

新しき村の創立時から、村内生活者の日々の仕事は農業が中心でした。その理由は、実篤の言葉を借りて言えばこうです。「それは百姓の労働が一番もとだからだ。 衣食住をただにするには百姓の労働が一番近か道だ。それ以上の生活はそれからだ。」新しき村は農業にのみこだわっているわけではありません。適任者がいさえすれば、新たな事業に取り組むことができます。


小説「平等ゲーム」の鷹の島と、実篤の新しき村は全く次元の違う話でした
そう
ただのゲームです

鷹の島で生まれ育ち「純粋培養」された青年・芦田耕太郎
本土の人間との会話で出てくる
出世欲とか焦燥とか嫉妬とかの感情が理解できない
口惜しいとか認めれるってどういうことなのか想像もできない

やがて島の運営の綻びが見え始める
それは耕太郎にとっては絶対に許せないことなのだが…


この後、耕太郎はいかなる方向に進むのかは描かれていません

軽いストーリー
期待外れでした


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