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三浦しをん「仏果を得ず」

2012年12月28日 | ま行の作家

 

双葉文庫

2011年7月 第1刷発行

解説・酒井順子

318頁

 

 

題材は文楽(人形浄瑠璃)

高校の修学旅行で文楽を観劇した健は義太夫を語る大夫のエネルギーに圧倒され、その虜になって13年

文楽の家の生まれではないことにコンプレックスを抱きながらも芸に精進する日々

恋も自主規制していたのだが、偶然出会った一人の女性に一目惚れしてしまう

彼女には小学生の子供もいるし、「夫」の存在の有無がわからない

恋の行方は真っ暗闇のうえ、気難しいと噂の義太夫三味線・兎一郎と組まされたり、師匠の家庭の問題の後始末に振り回されたり

文楽と恋に心奪われた健の悩ましい様子が、本作中で紹介されている文楽作品に擬えて語られているので小説を読みながら文楽のお勉強も出来る、というお得感もありました

 

師匠や兎一郎にも認めてもらえるようになり、大夫として、男として成長する健

アラ・サーの健の成長物語というのも少々おかしな気もしますが300年の伝統を誇る文楽

30歳前後など、まだまだ若造

 

文楽の世界に生きる一芸に秀でた、どこか変、でも愛すべき人間たちの物語でした

 

 

これまでの300年の歴史を受け継ぎ現代の人々に感動を与える文楽

これからの300年も同じように研鑽を積んだ大夫、三味線、人形遣いの手で伝統が守り継がれるものであって欲しいと思います

 

 


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2 コメント

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文楽 (たんぽぽ)
2012-12-28 21:30:11
北海道などにいると、ナマの「文楽」に触れることなどまずありません。それだけに、何やら遠い世界のように思っていましたが、今作を読んで学習させて頂き、また興味も出てきました。
三浦しをんさんのお仕事シリーズ。やっぱり大好きです。
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たんぽぽさん (こに)
2012-12-29 13:29:52
神去なぁなぁ~の続編も出ていますね。
それはもう少し後で。

日本の古典芸能は私もNHKで解説つきで観るくらいですかねぇ。
本作の演目なんかも、しっかり内容を頭に入れておかないと実際ナマを観たところでサッパリってな結果になりそう。
大夫のエネルギーを感じ取った健には才があったのでしょうね~。
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