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小川洋子編「小川洋子の陶酔短篇箱」

2017年11月16日 | アンソロジー

 

 

河出文庫
2017年 6月 初版発行
354頁

 

2009年に発表された「小川洋子の偏愛短篇箱」の第二弾
新旧様々バラエティに富んだ極上のアンソロジーです
各篇の最後に小川さんによる解説エッセイ付←すごい贅沢!

 

川上弘美「河童玉」~仏頂玉
葛西善蔵「遊動円木」~友だちに恵まれない人生
泉鏡花「外科室」~鳴らないポケットベル
梶井基次郎「愛撫」~文鳥のピアス
中井英夫「牧神の春」~動物園の檻
木山捷平「逢びき」~ズロース問題
魚住陽子「雨の中で最初に濡れる」~禁を犯す
井伏鱒二「鯉」~食べてはならないもの
武田泰淳「食パンの死骸」
色川武大「雀」~死後の父
平岡篤頼「犯された兎」~バニーガールの尻尾
小池真理子「流山寺」~焼香の列
庄野潤三「五人の男」~選択のやり直し
武者小路実篤「空想」~空想倶楽部
日和聡子「行方」~影踏み
岸本佐知子「ラプンツエル未遂事件」~塔と刺繍

 

冒頭の「文庫版によせて」によりますと、このように小川さんの大好きな短篇を集めて小さな箱を作りたいという願いにとりつかれたそもそもの原因は毎週1冊、文学遺産と呼べる本を紹介しているFMラジオの番組とのこと
毎週日曜の朝、10時~放送されている番組です
日曜の朝ということで毎週必ず聴けるわけではありませんが時間が許せばなるべく聴くようにしています
上から目線でなくリスナーに寄り添った小川さんの解説は著書と同じく意外性に溢れて大変好ましく、紹介される本の全てを読みたくなります
無理ですけどネ

 

巻末「私の陶酔短篇箱」より

無関係のような短篇と短篇が出会うことでそこに光が輝き、どこからともなく思いがけない世界が浮かび上がって見えてくる
このように一か所に集められればバラバラな無関係な物ではいられなくなり必ず互いに作用し合う
特別に大切な箱を読者の方々に差し出すことができ、編者としてこのうえもない幸福を感じている

 

幸福な時間をありがとうございました


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