ベスト新書
2011年2月 初版第1刷発行
2011年3月 初版第3刷発行
249頁
「数学」ではなく数学的な考え方、発想法について書かれているので学校の数学を思い出して苦痛を感じるようなこともなく想像していたよりは楽に読めました
第1部
不安定な毎日を生き抜くための数学的思考
給料があがらないのはなぜか
多重債務に陥る人はどうして生れるのか
年金問題を数学から考える
みなが納得する利益配分とは
第2部
幸せな社会とはどういうものか
経済メカニズムと幸福のかかわり
コモンズの悲劇
デフレ不況への処方箋
伝統的な経済学の限界
お金より大切なものはあるか
実はやっかいな多機能性
第3部
物語について数学的思考をしよう
「ことば」「数」「貨幣」基本的な概念への問いかけ
村上春樹のトポロジー
「1Q84」とはどんな位相空間か
時間の幾何学
初版で3刷まで即発行されたのは
村上春樹文学を取り上げているからかもしれません
第1部と2部は主に経済、環境問題について身近な問題を例に挙げて解説されています
環境問題については一時期、やたら本を読み漁ったり、エコ検定を受けたりした結果、多くの疑問が残り今に至っています
微視的な見方をしていては解決どころか泥沼に入り込むことになりそうです
第3部は村上春樹ファンなら思わず膝をうちたくなるような内容です
村上春樹の小説では数学的、幾何学的な論理文によって作家の推理、思考のプロセスが記述されているから、その世界観がどの国の人にも正確に伝わる
だから彼の文学は世界中に受け容れられているのだろう
そう言われれば確かにそうです
帯の、本書はこんな人に向いています、の最後
村上春樹の小説が売れているらしいけど本当はよくわからない
自分はデビュー作1冊しか読んでないのでわからない以前の問題ですが、とりあえず世界中で読まれている理由のひとつがそこにある、ということがわかっただけでも大きな収穫でした
おわりに、の最後
2011年 素数の年に
とあるのが心憎いというか苦笑というか…
映画でなく本でTBいただくことはめったにないので少々ビックリしています。この本は何気なく書店で立ち読みして買いました。割と気に入っています。
自分のブログでも書きましたが、全然自分に関係ないと思われるある経済の事象が関係ないことではですまないということを明白に書いてあるところと、環境に関する率直なコメントが気に入っています。
ブログの索引を見ました。私も読んだことがある本もいくつかありましたが、海外の作家は最近遠ざかっているのでぜひとも参考にさせてください。またよろしくお願いします。
特に「物語について数学的思考をしよう」
というところはかなり興味があります。
「映画の構造分析」などを読んだノリで、こちらも読みたくなってきました。
2011は素数ですか。博士とかルート君を思い出しました。ただの11ではつまらないけれど、2011となると、なんだか感動します。・・・というのは全く数学的ではない、私の感想。
乱読でとりとめの無い内容ですが、参考にしていただれば嬉しいです
(^_^)
環境問題については実にわかりやすく書かれていましたね
私も気に入りました
こちらこそ、また宜しくお願いいたします
私も小川洋子さんや寺尾聡さんを思い出しました
私のような数学が苦手な者でも読めましたので
すから、多分万人に受け容れられる内容だと思います
数学のプロには「問題外」でしょうけどネェ