感動のお相撲・家族小説
島根県の隠岐島では20年に一度、夜を徹して古典相撲が神社に奉納される
地区の誇りをかけて男たちがぶつかるその晴れの一日に、地域に根ざして生きる老若男女の思いを凝縮させた小説
親が認めぬ結婚で地元の顰蹙も買った英明が、最後の大一番に登場する最高位に選ばれる
期待に応えようと稽古を重ねた本番は、延々と続く死闘に
見守る再婚相手の多美子、5歳になる先妻の娘琴世、病死した先妻の両親、多美子の両親ら。
全250頁のうち、取組の描写が半分近くを占めており、読みながら二人の男の白熱した闘いを思い浮かべて力が入りました
これ、相撲用語がいっぱい出てくるので、お相撲を知らない方には読めないんじゃないかしら
琴世は死んだ母親のことを『お母さん』と呼び、多美子のことは『あの姉ちゃん』と呼ぶ
多美子が何度も『お母ちゃんって呼んでいいのよ』と優しく言っても、恥ずかしがり屋の琴世は『あの姉ちゃん…』
しかし、多美子に手を引かれて父・英明を応援しているうちに
英明と多美子は自分にとって誰よりも大切な家族なんだという思いに満たされた琴世は思わず多美子に
『お母ちゃん、琴世を置いて天国へ行かないで』と…
流石にここはウルウルきちゃいました
涙腺の緩い方は、ほぼ全編、涙なしでは読めないでしょう
話の内容はいたってシンプル
なのに何とも気持ちの良い感動が残りました
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延々と続く相撲シーン
そして家族愛
ほんとシンプルな物語でしたね。
でも感動できるんですよね。
結びの一番の土俵入りで「シュッ」という音から気迫が伝わってきてこちらも力が入りました。
原作の川上さんも満足されているでしょうね。^^