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松本清張「張込み」

2009年12月11日 | ま行の作家
「張込み」
平凡な(平凡過ぎる)日常を送る主婦に突然訪れる非日常的な危機
張込みを続けていた刑事の計らいで主婦は再び日常に戻ることが出来た
犯人逮捕という本筋より、平凡な日常と危機的な非日常、この主婦にとってどっちが幸せなのだろうか、主婦の人生に思いが飛ぶ


「鬼畜」
お妾さんと3人の子供が本宅に押しかけてきて、お妾さんは子供を置いて里へ帰ってしまう
子供の始末をしろ、と迫る本妻
子供の始末を実行する夫
子供を置いて出て行った妾
本当の鬼畜は誰だったのだろうか


「顔」
映画俳優がふと見せる表情に、偶然列車内で見かけた殺人容疑者の顔を思い出した目撃者

「声」
300人の声を聞き分けることができる電話交換手
偶然繋いだ間違い電話の声を思い出したことで悲劇に見舞われる

「地方紙を買う女」
心中を装って、自分に纏わりつく男を殺害した女

「一年半待て」
働かず酒に溺れ暴力を振るう夫を殺害した妻
正当防衛で執行猶予2年、懲役3年の刑が下されるが…

「投影」
地方へ都落ちした元大手新聞記者が再び東京に戻るまでの数ヶ月

「カルネアデスの舟板」
昔お世話になった大学教授の復帰に手を貸したがばかりに自分の人生が少しずつ思うようにいかなくなった男が企んだ教授失脚の罠


どの作品も真犯人の追及のみならず何故犯罪が起きたのか
推理小説の本筋+人生、社会の厚みが描かれており存分に社会派松本清張を楽しめる1冊になっています


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