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吉田篤弘「空ばかり見ていた」

2012年06月15日 | や・ら・わ行の作家

 

文春文庫

2009年1月 第1刷

2011年5月 第3刷

343頁

 

 

世界中を流浪する流しの床屋・ホクト

彼をめぐる12の物語

 

理容学校に通い卒業後の研修旅行に出かけたフランスでたまたま観た高名な女性パントマイミストの舞台に魅せられたホクトはそのままフランスに留まりパントマイムの修業に励んでいたのだが父の急逝を聞いて帰国

彼はフランスに戻ることはなく、小さな町の商店街にある「ホクト理容室」を継ぐことを選んだ

 

あるとき、美しい空を見上げて決意する

「私はもっともっとたくさんの人の髪を切ってみたい」

そして、彼は鋏ひとつだけを鞄におさめ、好きなときに、好きな場所で、好きな人の髪を切る、自由気ままなあてのない旅にでた

 

各々の物語の中で、ホクトは主人公であったり、脇役であったり、ほんの少ししか登場しなかったり、何故か猫だったり、名前だけだったり

各編を読むことで、読者も現実からしばし解放され、海辺の町やフランスや古い時代の何処かへ連れて行ってもらえたような気分に浸れます

 

12の物語のどれをとっても秀作

吉田さんの著書の中でも一番のお気に入りです

 

 


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