訳・浅倉久志
ハヤカワ文庫
1977年10月 ハヤカワSF文庫より刊行
2009年2月 新装版発行
2010年6月 4刷
解説・太田光
455頁
どうしようもないほどバカな人間たちの、滑稽で悲しい、時に優しさに溢れた面白おかしい話
表向きはSFなのですが、実は哲学的でアメリカ社会、地球人類を痛烈に批判しています
ちょっとした事故で、時空を超えたあらゆる時と場所に波動現象として存在することになった、ウィンストン・ナイルズ・ラムファード
未来も過去も見渡せる彼は、神のような力を使って地球人類を導いていた
その計画の最大の受難者、全米一の大富豪マラカイ・コンスタントとラムファードの妻ピアトリス
富も記憶も奪われ火星への移住を強制される二人の運命は?
そして、終盤
ラムファードは、地球人類を導いているのが自分ではなく、自分も誰かに導かれていた事に気づく
読者は登場人物同様
何度も、予想や期待を裏切られ、あちこち連れまわされるのですが
最後はそれらもまた楽し、といった感じでスッキリ終わります
ヴォネガット
摩訶不思議です
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます