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梨木香歩「ワニ ジャングルの憂鬱 草原の無関心」

2010年11月19日 | な行の作家

絵・出久根育
理論社
2009年5月 第2刷発行


絵本シリーズ2冊目
哲学的な内容です
何度読み直しても、答えは見つかりません


ジャングルに暮らすとてもいばりんぼうなワニ
でもワニは自分がいばりんぼうなどとは、これっぽっちも思っていません
自分が思うように行動したら結果周囲が従った
ただそれだけのこと

食べたいと思うものを食べる
たとえ、それが兄弟だったとしても

親友と呼べるのはライオンだけ
相手がワニのことを親友と考えているのかどうかは不明だけれど

ある日
ワニがおやつがわりに食べようとしたカメレオンが言います
僕たちは同じ爬虫類なんだ、だから仲間を食べてはいけない

ワニは混乱します
仲間?
仲間とは何だ?
何故、仲間を食べてはいけないのだ?

ジャングルには自分と自分以外のものしかいないと考えてきたワニ
仲間と仲良く暮らすべきなのか?

考えるのが面倒になたワニはカメレオンをガブリと飲み込んでライオンのところに出かけていき、その顛末を語ります
お腹の中で暴れるカメレオンに向かって一喝
「うるさい!静かに運命を受け入れろ、おまえなんか、そこで観念して俺様の一部になって初めて俺の仲間になれるってもんだ」
それを聞いていたライオンは
「なるほどねぇ」と呟き
あっというまにワニをひっくり返しがぶりと噛み付きムシャムシャと食べ始めてしまいます

びっくりしたワニ
食べられながら
こんなはずじゃなかったのに
でも、これってすごく正しいことなのかもしれない
ちょっぴ幸福な気がしつつ他にも道はあったのかも
色々な思いが去来するのでした


今日もジャングルでは様々な生き物が生まれ死んでいくのです

 

 


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