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久世光彦「桃」

2014年05月13日 | か行の作家

 

中公文庫
2005年3月 初版発行
解説・日和聡子
219頁

 

「桃」をモチーフとした8つの短編からなる短編集

 

「桃色」
父の通夜にきた女の喪服からのぞいた襦袢の襟の色

 

「むらさきの」
侵入者に投げつけたものは仏壇に供えてあった熟れすぎた桃だった

 

「囁きの猫」
豆本を作りながら猫と暮らす初老の男

 

「尼港(ニコライエフスク)の桃」
亡き父のトランクに入っていた桃の木乃伊

 

「同行二人」
かつて同じ男を想い合った二人の女郎

 

「いけない指」
過激な思想団体に属する兄を持つ若い娘

 

「響きあう子ら」
何がそうさせるのか、家を出て男の元へ走ってしまう紺屋の3人姉妹

 

「桃-お葉の匂い」
卓袱台のうえに残された腐りかけの桃の匂い

 

 

死がつきまとう
あやしげで艶めかしい、淫らなようで堕落はみられない
夢か現実か、境界のありそうななさそうな耽美な世界が描かれています
魅惑的で、ついつい惹きこまれてしまう

大人の描いた小説です

 

 


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