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映画・一枚のハガキ

2011年08月26日 | 映画(国内)

 

2011年 日本

 

わかり易い映画でした


戦争末期に徴集された中年兵100人
奈良で宿舎の清掃が終った彼らの次の任務地を決めたのは上官のクジだった
60人はフィリピンへ
30人は沖縄へ
残り10人は宝塚へ
松山啓太(豊川悦司)は宝塚へ向かう兵士の中のひとりだった
ある夜、啓太は、フィリピンへ赴任することが決まった仲間の兵士、森川定造(六平直政)から妻・友子(大竹しのぶ)から送られてきた一枚のハガキを手渡され、もし生き残ったらハガキを持って定造の妻を訪ね、確かに読んだことを伝えてくれ、と依頼される


戦争が終り100人のうち生き残ったのは僅か6人
フィリピンへ向かった者、沖縄へ向かった者は全員戦死だった
生き残った啓太が故郷である瀬戸内の島に帰ると自宅には鍵がかかっており誰もいない
近所に住む伯父(津川雅彦)から聞かされたのは、啓太の留守中に妻(川上麻衣子)と父親がデキてしまい二人で大阪へ出奔してしまったのだという
自分は何のために故郷に戻ってきたのだろう
無気力に日々を送る啓太は突然、家屋敷を売ってブラジルへ渡ることを決心する
荷物の整理をしている時に、すっかり忘れていた定造から託されたハガキを見つけ、友子を訪ねることにする

一方、定造を亡くした友子は、義弟の三平と再婚するも、その三平も戦死
舅(柄本明)は心臓病で急死
姑(倍賞美津子)は友子に僅かばかりの現金を残して自殺
他に身寄りのない友子は朽ちていくばかりの家で一人で細々と暮らしていたのだった

友子に自分の世話になったらどうか、としつこく纏わりつく村の世話役、泉屋吉五郎(大杉漣)が滑稽でちょっと哀しくて、よい具合のスパイスとなっていました
亡き夫の戦友をもてなす友子をみて、妄想が膨らみ啓太に嫉妬
啓太と吉五郎は大喧嘩となります
予想通り吉五郎の負け
このあたりは、ちょっとした息抜きでした

大竹しのぶさん
力持ちなんですね
天秤棒をかついだり喧嘩の後の豊川悦司さんをおんぶしたり
館内から「凄い~」歓声があがりました


啓太がハガキを持って訪ねてきてから、友子がじっと堪え辛抱してきた日々を解放するような感情の爆発が凄まじいです
対照的に寡黙な豊川悦司さんと大声で喚き叫ぶ大竹しのぶさんの演技に圧倒されました
全身で感情を表現する女優
「お菓子放浪記」のいしだあゆみさんも凄かったですが、大竹しのぶさんのほうが上手ですかねぇ


戦争で無意味に命を落とした者も、生き残った者も悲しい
しかし、生き残った者は、亡くなった人のぶんまで生き続けていかなくてはいけません

ラスト
黄金に輝く麦畑の奥で食事を摂る二人
「一枚のハガキ」が結んだ縁なのでしょうね

まだ続くのかと思ったら突然の『おわり』の文字

こういうわかり易い映画は観た後にスッキリと気分が良いです
新藤監督、本当にこれが最後の作品なのでしょうか

 

 


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4 コメント

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やり取り~ (cyaz)
2011-08-26 17:27:46
こにさん、こんにちは^^
TB&コメント、ありがとうございましたm(__)m
素直に受け入れられる映画でしたが、
その時代に生きていたら、
“宿命”だと諦めるしかなかったのでしょうね・・・。
悲惨な戦争の残したもの、
二度と繰り返してはならない戦争への
メッセージはこめられていましたが、
啓太と吉五郎のやり取りは面白かったですね(笑)
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黄金の麦畑 (たんぽぽ)
2011-08-26 20:52:20
最後の方は、ほとんどコメディになってましたね。
でも、この重苦しさから開き直って、生き抜く方に向かうのは、今現在、救いにつながる気がします。
実り豊かな麦の畑が、平和を象徴していました。
せめて水道くらいはひいたのかしらん?と思ってしまいました・・・。
返信する
cyazさん (こに)
2011-08-31 20:43:56
最初から最後まで悲惨な戦争ばかりを描いていたら観ている側も辛いですものね
吉五郎が潔く(?)身を引いたのも「男気」でしょうか
麦畑の二人を影からこっそり覗いていたりしてネ
^^;
返信する
たんぽぽさん (こに)
2011-08-31 20:47:54
ブラジルへ立つという朝、友子には何かが乗り移ったみたいだし、家は焼けるし、とんでもない展開に大丈夫か?と思いましたが、納まるところに納まりましたね
水道も電気も引いたと思いますよ
たぶん
^m^
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