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熊谷達也「光降る丘」

2014年06月25日 | か行の作家

 

角川書店
2012年8月 初版発行
394頁

 

 

2008年6月14日に起きた宮城内陸地震で甚大な被害をうけた宮城県栗駒市
物語は栗駒山中腹の耕英地区(物語では共英地区)の戦後開拓時代の熱い日々と震災後を描いています

 

東日本大震災の津波の映像も衝撃的でしたが、内陸地震で栗原地区の山が崩れ、谷が埋まり、道路も橋も消えてしまった映像に愕然としました
人間が作った人工建造物が壊れるのはある程度仕方のないことですが、大昔からずっとそこにあった山や谷がすっかり変貌するエネルギーの大きさに人間が適うはずもないと思いました

 

主人公は開拓三世の大友智志
震災の後の地区の様子と行方知れずの祖父への想いが描かれています
合間に挟まれるのは、昭和2年生まれの祖父・大友耕一の生い立ちから、満蒙開拓団への参加、終戦後のシベリア捕虜収容所での暮らし、両親兄弟を失い共英地区へ独りで入植、結婚、そして生活が軌道に乗るまでの苦難の日々の物語です
熱い男たちの物語は熊谷さんのお得意とするところですね

 

「家の光」への連載が始まったのは2009年ですので東日本大震災を受けて書かれた作品ではないようです

 

強い意志と家族愛、苦難を共にしてきた地区の人々の連帯感と団結力
共英地区に生きる人々の姿は感動を呼び起こします

復興への道はまだ半ばとのこと

この大災害も忘れてはいけないと思いました

 

 

 


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