みずず書房《大人の本棚》
2006年10月 発行
解説・堀江敏幸
戦争中には東京・下谷で新聞配達をし、戦後は北海道の夕張炭鉱で炭鉱夫をしていた小山清
その二つの土地に取材した、庶民と自分の周辺を描いた短編集です
「小さな町」
「をぢさんの話」
「西郷さん」
「離合」
「彼女」
「よきサマリア人」
「道連れ」
「雪の宿」
「与五さんと太郎さん」
「夕張の春」
実像よりもひとつ下に自分を置いて書いているそうで、遜り過ぎではないか、鼻につくところもありましたが、人生の機微を淡い色合いで描く作風は好みです
「をぢさんの話」を途中まで読んだところで二度目であることに気づきました
二年前に読んだ講談社文芸文庫の「日日の麺麭/風貌」に収録されていましたねぇ
表題作「小さな町」は昭和27年上半期、「をぢさんの話」は28年下半期、芥川賞候補になっていますが受賞には到らず、選者にはそろそろ新聞屋ものと手を切ってはどうか、などと評されていたようです
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