小山清「日日の麺麭/風貌」

1911年、東京・浅草新吉原に生まれる
1940年、太宰に師事
1948年、太宰の死、本格的に文筆活動に入る
1958年、脳血栓で倒れ失語症に陥る
1962年、妻が自死
1965年、急性心不全により死去


短い生涯で発表された小説は少なく、すべてが短編です
しかし、それらはどれも温かく純粋で愛情に溢れ小山清にしか創れない小さな宇宙です


本書に収録されているのは以下の11編
「落穂拾い」
「朴歯の下駄」
「桜林」
「おじさんの話」
「日日の麺麭」
「聖家族」
「栞」
「老人と鳩」
「老人と孤独な娘」
「風貌―太宰治のこと」
「井伏鱒二によせて」


いくつか強く印象に残る文章がありました
ずっしりと心に残ります

私小説めいた内容ばかりですので、つまらないという読者も多いかと思います

小説を読む、というより小山清の生を読む、といったほうがよいのかもしれません


読者の求めるものを書いたのではなく、自分を書き著した作家でした