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関口尚「プリズムの夏」

2011年11月15日 | さ行の作家

 

集英社文庫
2005年7月 第1刷
解説・海原純子
187頁


直球青春小説です

大学進学を目指す高校3年生の植野と今井
両親共働き、中学生の妹とごく当たり前の暮らしをしている植野に対し
今井は父親が会社をクビになりノイローゼ状態、経済状態も厳しく、子供の頃から習ってきた筝も大学進学も諦めなければならないかもしれない

映画好きの二人が映画館の受付の女性、松下さんに恋をすることから『ひと夏の青春物語』が始まります


ある日、今井がネットで見つけたうつ病女性の日記
それが松下さんの日記ではないか、と疑い始めた二人
ただの偶然ではないかと思いながらも
「わたしをなくしてしまいたい」と書かれた日記の女性と松下さんが同一人物である証拠が積み重なる

植野は春に別れた同級生の彼女とのことを繰り返し考え
今井は家庭の事情に悩ませられる
二人がそれぞれ抱える苦悩と松下さんを助けたいという気持ち

自分のことで精一杯、さして関わりもない他人のことなんかほっておけばよい
見て見ぬふりをして傷つかないように生きていく
そういう若者が増えました
ところが、植野と今井は違います
「今」思うことに従い突き進み、玉砕し真実を知ることで傷つきます

そういうひたむきさに心を打たれました

 

 

 


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