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宮本輝「螢川」

2016年12月20日 | ま行の作家

 

角川文庫
1980年 2月 初版発行
1994年 6月 63刷発行
解説・水上勉
173頁

 

 

「泥の河」
第13回(1977年)太宰治賞受賞
昭和30年頃の大阪
堂島川と土佐堀川が合わさる安治川に、橋が三つ架かった場所、藁や板切れや、腐った果実が浮いている川岸で食堂を営む家の少年と両親
その川にうかんだ舟で軀をひさぐ母と暮らす姉弟
少年と姉弟の交友を通じて子供の眼にうつる大人たちの世界を描きます

 

 

「螢川」
第78回(1978年)芥川賞受賞
昭和30年後半の富山
妻との間に子の無かった男
50歳を過ぎて愛人との間に子が授かったことから妻を捨て、愛人とひとり息子と暮らし始めます
羽振りの良かった男ですが徐々に勢いを失い、息子が中学生の時、脳溢血で亡くなります
こちらも、少年の眼にうつる大人の世界を描きます
雪に閉ざされた冬に始まり、蛍が乱舞する初夏に終わる物語が何とも切ないです

 

 

宮本さんは古い作品のほうが好みです
何といいますか
余計なものがなくて、すっと腑に落ちるといいますか
作家としての勢いを感じます

 

 

 

 


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