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今野真二「百年前の日本語―書きことばが揺れた時代」

2013年04月28日 | 新書

 

岩波新書

2012年9月 第1刷発行

195頁

 

 

本屋さんでパラパラ捲って目に入ってきたのが目次の

百年前の手書き原稿-夏目漱石『それから』の自筆原稿

『朝日新聞』に掲載された夏目漱石の『それから』

そりゃぁ、買いますよ

 

漱石の原稿の漢字には「楷書体」「草書体」「行書体」が混在しており、そのうえ「旧字体」と「新字体」の両方を見ることができます

さらに原稿用紙の行頭に句読点が来る例もあり、「禁則処理」がなされていません

ある意味、明治期の日本語というのは「自由」だったのです

小学校の国語の漢字書き取りの時間、あの頃は当然と思って一生懸命書いて覚えました

教育・文化・その他を考えれば全ての日本人が同じ標準仕様の日本語、漢字を使うのは当り前ですが、百年前の日本語-書きことばがどのようなものであったかを知ると、随分と退屈なつまらないお勉強をさせられたと思えてきます

まぁ、そうは言っても百年前の日本語-書きことばのユニークさがわかるのも現代の漢字教育を受けた基礎があればこそでしょう

 

 

はじめに

-日本語に明治維新はあったか

 

第一章 百年前の自筆原稿

-夏目漱石『それから』の自筆原稿

 

第二章 「揺れ」の時代

-豊かな明治期の書きことば

 

第三章 新しい標準へ

-活字印刷のひろがりと拡大する文字社会

 

第四章 統一される仮名字体

-失われた選択肢

 

第五章 辞書の百年

-辞書を通してみた日本語の変化

 

おわりに

-日本語が得たもの、失ったもの

 

書きことばに留まらず、近代日本の変化にも触れており 

以前読んだ山口仲美「日本語の歴史」をさらにバージョンアップした内容で大変お勉強になりました

 

 


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