2012年 ドイツ
原題 Barbara
まだ東西ドイツが分裂していた時代
東ベルリンの大病院に勤務していたが、西ドイツへの出国を望んだため拘留されバルト海沿岸の田舎町の病院へ飛ばされた医師バルバラ(ニーナ・ホス)
この町で彼女は秘密警察の監視下に置かれ、数時間「行方不明」になるだけで家宅捜索ばかりか全裸にされたうえ屈辱的な身体検査まで受けなければいけない暮らしを強いられている
勤務先の同僚とは打解けようとしないバルバラだったが、患者に対しては誠意を尽くし献身的な治療を施す
一方、西側に住む恋人の協力で着々と東側からの脱出計画を進めており、孤独にも耐えうる強さを持っている
序盤でのバルバラのスパイ活動のような行動の理由がよくわからず、この映画はハードボイルドなのか、スリリングでミステリアスな展開に惹きこまれ、気づけば映画が終わっていた感じでした
東側の体制下、権力によって人の尊厳が軽視される様子を生々しく描いています
最後にバルバラが下した決断が一人の少女の人生を変えることが出来たはず、そしてバルバラのその後の人生が人を信じることで少しでも穏やかなものであってくれたら、と思いました
終盤になってやっとバルバラの笑顔が見られるようになります
彼女、こんな歯並びだったんだ、と思って初めてそれまで笑顔のシーンがなかったことに気づきました
ニーナ・ホスの凛としてクールな演技に釘付けになりました
さらに、すらりとした肢体と美貌、特に首筋からデコルテの美しさは惚れ惚れするほどでした
自転車に乗っているシーンも、楽しいサイクリングではないのですがカッコ良くて素敵です
「マリーゴルドホテル~」かこちらか迷いましたが
こちらを選択して良かったです
私も『マリーゴールド・・』 とだったらこちらの方が断然好きです。
静かな中にもきちんと主張している点がいいですね。
やたらうるさくて、饒舌な作品が多い中、本作のような映画に出会うと、こういうのがもっと観たい、と思ってしまいます。
未だ観ておらず上映終了かなぁ。
少子高齢化社会が反映されているのか、お年寄りが主人公の映画が増えてきて、今はそういうのとは少し距離を置きたいな、と考えています。
私も彼女が笑ったシーンは、はっ!となりました。
とても歯並びが美しく、笑顔の綺麗な人だったんだ・・・って。
凄く好みの映画でした。
カッコいい選択をした彼女に幸あれ!
その割に恋人が冴えない雰囲気でしたが、ま、それは置いといて(^_^;)
彼女にどんな未来が待っているかわかりませんが、少なくとも医師として選択すべき道を選んだことに後悔は無いでしょうね。