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浅田次郎「憑神」

2017年04月03日 | あ行の作家

 

新潮文庫
2007年 5月 発行
2007年11月 11刷
解説・磯田道史
348頁

 

 

幕末の江戸
文武に秀でながら出世の道をしくじり、婿入り先から戻された貧乏御家人・御徒士の別所彦四郎
ある夜、母に借りたお金を持って夜鳴き蕎麦を食べに出かけた後、酔いにまかせて小さな祠に神頼みをしてみると、何と!神様が現れたのです
しかし、この人の良さげな大店の旦那の姿をした神様は、神は神でも貧乏神だったのでした

 

貧乏神の後は厄病神、死神と、とことん運に見放されながらも懸命に生きる彦四郎
何とまぁ要領の悪い人だこと、と思いつつ応援したくなります

 

浅田さんは本作を通して私たちに伝えたかったことを最後のほうで彦四郎に語らせます

小さな損得に一喜一憂し、神頼みなどしているかぎり、人は本当に幸せな心の境地に達することなどできない

 

浅田さんらしい物語の締めくくりは、少し悲しくも意を決した男の後姿の何と格好よく晴れやかなことでしょう

 

また、歴史学者・磯田さんの解説からは、幕末の江戸がリアルに目の前に浮かんでくるようでした

 

 

 


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