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小林朋道「ヒトの脳にはクセがある 動物行動学的人間論」

2015年07月04日 | 教養・学習本

 

新潮選書
2015年1月 発行
175頁

 

 

私たちの脳は「進化のせい」で偏っている

はじめに-死が怖くなくなる

  1. なぜマンガは文字より分りやすいのか?
  2. ヒトはなぜ、時間の始まりと宇宙の果てをイメージできないのか?
  3. 火に惹きつけられる人間の心
  4. ヒトが他の動物と決定的にちがう点
  5. ヒトはなぜ涙を流すのか
  6. ヒトは悲しみを乗り越えて前に進む動物である
  7. 遺伝子はヒトを操るパラサイト
  8. 今も残る狩猟採集時代の反応

おわりに-目隠しをして象に触れる

 

ヒトの脳は、進化の産物としての器官にすぎない
われわれが感じている“自分”はわれわれの身体のなかの遺伝子たちによって設計・製造された遺伝子たちの乗り物にすぎない
悪く言えば少し投げやりな、よく言えば肩ひじ張らない、限界も認めた、ヒトという存在を書いたものです

 

 

自分という存在をことさら意識し、自分の力で人生を作り上げていこうと思うと“死”は怖いことかもしれない
でも、自分という存在が実は「死にゆく個体から新生の個体へと、長い長い時間をかけて不滅の寄生虫のように移動し続けてきた遺伝子たちが一時的につくった乗り物だ」「自分は、その意識も含めて生命の大きな流れのなかの一部に過ぎない」と思えば死への怖さは減るのかもしれない

 

現世は束の間、人間は次に遺伝子を伝えるための器にすぎない
宗教学者のひろさちやさんも、遺伝子という単語は使っておられませんでしたが同様のことを仰っていました

 

 

時間の始まりについての章が興味深かったです
親戚の法事で和尚様が「時間というのがいつ始まったのかはわかりませんが先祖代々云々…」と語られたのを思い出します
科学からみる時間、宗教からみる時間、面白いです

科学、物理、哲学、宗教などなど
様々なジャンルにおいて著される“ホモサピエンス”を読み比べるのも楽しいかもしれません

 


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