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北村薫、宮部みゆき編「とっておき名短篇」

2011年04月04日 | アンソロジー

 

ちくま文庫
2011年1月 第1刷発行
336頁

穂村弘
蜂飼耳
川上弘美
塚本邦雄
飯田茂実
戸板康二
深沢七郎
松本清張
大岡昇平
岡田睦
北杜夫

北村薫、宮部みゆき、目利き両氏を唸らせた短編が勢揃い


特に面白かったと思うのは

松本清張
「電筆」
日本の速記術の創始者である田鎖綱紀という人の評伝
速記術誕生秘話、といったところでしょうか
先駆者でありながら、今はすっかりその存在すら忘れ去られている人を取り上げているところが清張らしいです
宮部さんも学んだという速記術に、こういう歴史があったとは知りませんでした

塚本邦雄「純白」
テーマは愛
皆川博子さんと小川洋子さんの世界をミックスしたような、ぞぞっとくる怖さがあります

戸板康二「酒井妙子のリボン」
いい年をした男の嫉妬の話
それなりの地位にある男性が、若い女の子にそんな意地悪するなんて!
と思いながらも、この男性が可哀相に思えてくるのは自分の中にもある嫉妬心のせいかも?

深沢七郎「絢爛の椅子」
はっきりとした動機もなく殺人を犯す若者
この話の時代設定は昭和30年代だと思いますが現代に至っても変わらない人間の悪を見事に描いています

 

松本清張以外は初読の作家さんばかり
どの短編も、玄人好みという印象でした

 


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