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ジャック・フィニイ「ふりだしに戻る」

2011年06月04日 | 海外の作家

 

角川文庫
1991年10月 初版発行
2008年10月 8刷発行
上巻 348頁
下巻 343頁


この小説がタイムトラベルと恋愛を扱ったものであることを知らずに読み始めたなら
多分、上巻の前半で挫折したと思います
それくらい物語の始まりは退屈極まりないものでした
長編小説はそういうものなんですけどね

1880年代のニューヨークへのノスタルジー
思い出されるのは古き良き東京・銀座へのノスタルジーに溢れた広瀬正「マイナス・ゼロ」
「マイナス・ゼロ」ではタイムマシンが必要でしたが、本作では登場しません
主人公の意識だけで現代から1882年へ旅立つことも戻ることも出来るのです

下巻からは
過去のニューヨークで凶悪犯の濡れ衣を着せられるなどスリルとサスペンスの連続
美しい女性との恋の行方は?
過去に干渉することは許されるのか?
そして物語の締めくくりに喝采
気づけば読み終わっていた、という感じです

自分の中では「夏への扉」「マイナス・ゼロ」と並ぶ名作です

 

 


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