朝日新書
2010年7月 第1刷発行
2010年8月 第2刷発行
394頁
保阪氏によれば
昭和を代表する首相は、東条英機、吉田茂、田中角栄の3人であるとのこと
田中角栄といえば
無学歴で身一つから立身出世を果たした権力主義の政治家、ロッキード事件で逮捕された金権政治の権化というイメージしかありませんでした
首相になる前、生い立ちから戦前~戦後、代議士時代の諸々は知らないことばかりで興味深く読みました
田中角栄は、まさに戦後日本と日本人を象徴する政治家であったようです
外交は苦手としていたのですが、日中国交回復を実現したりソビエトに北方領土問題を迫ったり
エリート街道を歩いてきた政治家とは違う「慣例に捉われず機を見て、自らが全面に出て差配し、そして具体的な結果を自らの目で確かめる」庶民宰相ならではの型破りな手法は、案外海外には通用したのですね
そういう手法、がエネルギー問題でアメリカを怒らせ、ロッキード事件ではめられた、という説もあるようですが、真実は?
晩年は糖尿病、高血圧、バセドー病を抱え、さらには脳溢血を患い、まさに満身創痍
政界に入ってから40余年、ひたすら走り続け、話し続け、政敵との戦いに体力の限りを費やしたバイタリティに溢れた政治家だったのです
平成の今、坊ちゃん育ちのヤワな政治家が増えた日本
田中角栄を師と仰ぐ小沢一郎は、今後、どのような動きをするつもりなのでしょうか
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