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井上雅彦監修「未来妖怪」

2008年09月01日 | あ行の作家
未来の妖怪を思い描くという思考実験
妖怪を愛する方々に捧げる、ちょっと変わった妖怪アンソロジー

柳田國男、水木しげる、京極夏彦が描いたような妖怪
昔々テレビで放送されていたウルトラQに出てくるような妖怪

面白いと思ったのは

八杉将司「産森(うぶもり)」
事故でわずか2歳の一人息子を失った両親
子供の事を諦めることが出来ず、クローン人間を作り、息子として育てる
その息子の元に生まれたての赤ん坊が突然現れるのだが、その赤ん坊は2歳になると姿を消してしまう
息子の家の裏の森からは再び生まれたての赤ん坊の泣き声が…


石神茉莉「雨の夜、迷い子がひとり」
死んでしまったおじいちゃんが大切にしていた庭の木々が切られてしまったことを悲しむ少女
雨の夜、家を出た彼女が見たものは、魑魅魍魎の行列


三津田信三「合わせ鏡の地獄」
仕事で泊まったカプセルホテルの洗面所で偶然居合わせた男から聞いた話
江戸川乱歩の「鏡地獄」「湖畔亭事件」「挿絵と旅する男」からヒントを得ているようです


朝松健「ぬっへっほふ」
室町時代、代々の足利将軍が必ず遭遇すると語り継がれている「あやし」
それは将軍の耳元で「おわりをまて」と告げる
これ、ちょっと笑える
徳川家康は「さいごうをまて」と囁くという「あやし」を見たとか…


先回読んだ「心霊理論」ほどの面白さではありませんが
科学万能未来では、妖怪はどんな登場の仕方をするのか
作者の皆さん、それぞれ頑張って書いておられます!

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