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佐藤亜紀「バルタザールの遍歴」

2010年08月11日 | さ行の作家
一つの肉体に共棲する双子、メルヒオールとバルタザール

オーストリアの公爵の跡取り息子であった彼らは、ナチス=ドイツが台頭してくる中、放蕩と遍歴を重ねる


文体は一人称でありながら、ふたりの人物が、ときに一人となり、ときに二人となって語るという個性的なもの

通常の二重人格者とは違い、一人が身体から抜け出て(鏡に映らない・影が無い・一種の心霊的栄養失調を除けば普通の人間に見える)行動する、他者の意識に入り込むなど、今まで読んだ作品にも登場した「超能力者?」のような二人

彼らの関係はは現実のなかにまぎれこむ虚構、虚構のなかに見え隠れする現実と同じ関係なのかもしれない


第3回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しているとのことですが、この作品をファンタジーと呼ぶのはどうかと思います



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