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佐伯一麦「遠き山に日は落ちて」「読むクラシック」

2010年09月08日 | さ行の作家
毎晩午後9時になると町道の電柱の所々に設置されたスピーカーから流される
ドヴォルザーク「新世界から・第二楽章・家路」

中学校のとき、下校の時刻が来たことを知らせるのがそれでした
部活が終わっても友達とお喋りしてて、先生に『早く帰れよ~』と言われ薄暗くなった道を家路についたことを思い出します

いつもの佐伯さんらしい作品
事件らしい事件は起きないけれど、しみじみとしたいい小説です
バツイチの小説家・斎木と草木染を生業とする奈穂
秋の終わり
二人は蔵王山麓の小さな町に引っ越して来る
一冬を過ごし、次の冬が過ぎ春を迎える頃までの二人の静かな日々が淡々と描かれています

草花や木や鳥のことに限らず名前を知らないために見過ごしてしまっているものが周囲には多いのではないか

堀江敏幸さんもですが
ある物の名前から、ある出来事、ある人が連想されてどんどん世界が広がっていく
そして、話は巡り巡ってある物に戻ってくる
色んな物の名前や由来、関連する話などを知らないと、こうした楽しみは持てないと思います

一緒に買ったのが
佐伯さんの
「読むクラシック・音楽と私の風景」
誰もがどこかで聞いたことのあるクラシック音楽
スメタナ「モルダウ」
ビゼー「アルルの女」
モーツァルト「キラキラ星」
などなどにまつわる佐伯さんの思いが綴られています
勿論
武満徹「弦楽のためのレクイエム」も

いい本を読みました



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