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川上弘美「七夜物語」

2015年10月31日 | か行の作家

 

朝日文庫
2015年5月 第1刷発行
解説・村田沙耶香
上巻 296頁
中巻 331頁
下巻 337頁

 

 

図書館で見つけた『七夜物語』に導かれるように「夜の世界」を冒険する小学4年の鳴海さよと仄田鷹彦

 

それぞれ両親が離婚しており、さよは母親と団地で二人暮らし、仄田君は祖母と父親の三人暮らし
しっかり者のさよは仕事が忙しい母親に代わって家事をこなしたり、学校でも友達と仲良く過ごしていますが、本人も気づいていないところで少しずつ無理がきているようです
一方の仄田君は、祖母に過保護に育てられてきたこともあるのか人間関係の構築が全くできておらずクラスでも浮いた存在、実践より知識の頭でっかちな変わり者です

 

そんな二人が一編の物語を手にしたことから始まる七つの夜の冒険譚
子供の冒険という設定ですが、世の大人たちへの問いかけ満載
冒険の中で、少しずつ成長していくさよと仄田君

特に仄田君
現実世界では、その存在価値も認められていなかった仄田君が、夜の世界では権力を背景にクラスの王様状態にいて、その快感に浸っています
しかし、やがてそこに違和感を感じ始めるのです
頭でっかちで自分の世界にしか興味の無かった少年が螺旋階段を上ったり下りたりしながら少しずつ少しずつ周囲を見渡す力を蓄え他人と関係を構築していく様子は逞しかったです

 

大変読みやすく、合計964頁を2日弱で読み終えました
大人には簡単、子供にはやや難しい

「はてしない物語」の超簡易版みたいかしら

時間が経つと、すっかり忘れてしまうかもしれません

<m(__)m>

 

 

 

 

 


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