豊臣秀吉:東山での松茸狩り
秀吉が天下を取ってからのこと。
京都の東山に松茸がたくさん生えていると聞き、
「松茸狩りをして遊ぼうではないか」と言い出した。
家臣たちが下見に行くと、すでに京の人々がほとんど採って
しまい、僅かしか残っていない。
落胆する秀吉の顔が浮かぶ。そこで、彼らは、あちこちから
松茸を取り寄せて、こっそりと山に植えることにした。
夜を徹して作業を続け、何とか間に合わせたのである。
秀吉はお祭り騒ぎのようにして、やってきた。
見ると、そこらじゅうが松茸だらけ。
「これは見事」と、非常に機嫌がよい。子供のように、
はしゃぎながら松茸を採っていた。
すると、傍にいた女性が、秀吉の袖を引いて
「これは自然に生えたものではありません。誰かが、
植えたものでございます。殿下にはそれがお分かりになりませんか」
と、小賢しく言った。
秀吉は、手を振って、さえぎり、
「こら、言うな。俺たちを喜ばせようとして、皆がやったことだ。
これだけ植えるには、相当の苦労があったはずじゃ。その気持ちを
ありがたく受け取ってやらねばならぬ」とニッコリ笑ったと言う。
秀吉には、相手を受け入れる心の余裕があった。
人間関係を大事にしていたのである。
人は感情の生き物だから、毎日同じ気持ちでいること、さえ難しいです。
どんな時も、どんな事も受け止められる、人になりたいですね。
なりたいと、強く思わなければ、なりたい自分に成れませんからね。
私の「報告」内容が、既に上司が知っていたときでも、初めて聞いたふりをしてくれました。最後には感謝の言葉すら添えて。
この人にはもっと情報提供しようと決意したものでした。やはり余裕のあった方なのでしょうね。
だからこそ、半兵衛や官兵衛も臣下となったのでしょう。
農民の出身でありながら天下人となれたのは、心に余裕があればこそ。
かくありたいものですね♪
皆さんご存知の西郷隆盛の話。
ある日食事をご馳走になった時、「美味しい美味しい」といって全部たいらげました。
西郷さん一行が帰られた後で、その料理を作った女性が塩と砂糖を間違えて入れてしまっていたことに気付きました。
西郷さんは味音痴ではありません。
なんと度量の大きな人でしょうか。
私も一寸見習いたいです。
人様の好意は素直に受け取る!素直でない人が多いご時勢だけに、心に響く言葉をいただき、ありがとうございました。