おぉきに。

気が向いたら読書感想を書き、ねこに癒され、ありがとうと言える日々を過ごしたい。

『イエロー・サブマリン 東京バンドワゴン』

2020-05-27 12:52:30 | 本の話・読書感想


『イエロー・サブマリン 東京バンドワゴン』 小路幸也 著(集英社)
 とうとう発売一か月後の投稿になってしまいました……。読んでたのに!胸がいっぱいになったのに!言葉がちっとも降りてこなくて!
 言葉の神様からの声が、新型コロナの不安の渦にかき消されてしまいました。
 初夏の陽気になって、なんとなく収束の方向になってるような感じからの緊急事態宣言の解除で、町に人々の声が戻ってきたなあと思ったとき、ようやく言葉の神様が拡声器持って叫んでました(笑)
 今後は「コロナ以後」と呼びならわされるであろう現在にあって、堀田家の物語はもしかしたらますますファンタジー性が高まるのかな、そんな気もします。



ええとね、初読時の、読了後すぐにわたしが何を思ったかって、

藤島さんに堀田家の血が通ってないって嘘でしょ。

でした(笑) 

きっと藤島さんは藍子さん紺さん青ちゃんの実はきょうだいなんですよ、四姉兄弟なんですよね?
いや冗談ですけど。

しみじみと、シリーズ一作目を思い出しました。
そして、藤島さんが堀田家と深くお付き合いするようになったきっかけ、お姉さんの一件のこと、たぶん堀田家と藤島さんの御縁はそこから始まってたんだと思います。まだ知己ではなくても堀田家と藤島さんを繋いだのは、お姉さんの短い人生のすべてを賭けた運命そのもの。
ちょっと人生と心に欠けがあった独身貴族のIT起業家が、堀田家と共に10年以上の歳月を重ねて、とうとうサインした。

堀田家のご近所さんな気持ちのファンとして、感極まるというか胸がいっぱいというか……。

勘一さんををはじめ堀田家の面々に救われた人は多いけど、藤島さんと、彼のお姉さんの魂の満たされた感じってもうサチさんの人生に近いよね。
やっぱり、家族同然というより、もう家族そのものでしょう。

それから、研人くん。
大きくなったなあ……おばちゃん、年取るわけだわ……(感涙)
花陽ちゃんと一緒にちょこまかちょこまか走り回ってあどけない男の子だったのが、結婚。
リアルに甥っ子でもマジか!って言うよたぶん。おばちゃんなんてそんなもんよ……。
わたしに子供はいなくて、一番近い妹も独身なので、小さい人がどんな風に大きくなっていくのかは客観的にはよく知らない人生を歩いてますが、十年以上を堀田家の物語とともに生きて、子供ってこういう感じに育っていくのか~(※ただし、子育ての成功例)(花陽ちゃんと研人くんがグレたり道を踏み外したりしなくてよかった)って見せてもらったような感じです。
芽莉衣ちゃんの、幼い頃から研人くん一筋という一途さにもびっくりなんですが、その気持ちを受け止めるとか受け入れるとかいう話じゃなくてただ当たり前に想い合う研人くんがめっちゃ男前です。
これは紺さん亜美さんの出会いとも、藍子さんと花陽ちゃんのお父さんとの運命とも、青ちゃんとすずみちゃんとも、また勘一さんとサチさんの馴れ初めとも違う、ニュータイプの堀田家の物語。
四年後、かな?結婚式が楽しみです。

……かんなちゃん、ちょっと勘が鋭すぎるというか、ぶっちゃけ異能者(霊能力者)になってる気がしますが、こういう能力は小さい頃限定でそのうち消えていくパターンであってほしい気持ちと、そうなるとサチ大ばあちゃんに不自由なくコンタクトできなくなってちょっと寂しいかな?と思うのとで、ハラハラするようになってます……どうなるのかなあこれから……たぶん、かんなちゃんのこの能力は、本編でクローズアップされて紺さんと研人くんが悩みそうな予感がします……。

今回も、いろんな謎がありました。
そしてそれで新たなご縁がまた出来ました。

堀田家の物語世界は、今や勘一さんと我南人さんを中心に、楠の大木のように枝葉を拡げた緑煌めく大樹を仰ぎ見てるような感じです。
何かがあってもなくても、心が自然とあの大きな樹のもとへと。人々が目指す、ユグドラシル。
その光景をイメージすると、涙が溢れてくるんです。

サチさんが家族のところにとどまっていることも、サチさんのいる場所に秋実さんの気配が無いことも、いずれその謎が解かれる日が来るのかもしれないし、来ないのかもしれない。
ただファンはいつまでも、優しい大樹がそこに在ってほしいと願うだけ。

現実社会では新型コロナの不安が蔓延して心が休まらない日々でした。
でも、東京バンドワゴンは今年も変わらず、わたしにエネルギーをくれました。
くじけるな、諦めるな、考えて考えて、頑張れ。
癒しよりも喝を。パワーを。
今の私に、今の日本に必要なのは、ここでもう疲れ切ってしまうことじゃなくて、もっともっと自覚をもっと考え抜いて頑張って災厄を乗り越えていくだけのパワーなんだと思います。癒されるのは、安らぐのは、その後です。

来年は番外編ですね。
今からもう楽しみです。コロナに負けてやるわけにはいきません。

頑張ります。頑張りましょう。


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