ab Cuore 

帰国した時ノンポリだった私が見たのは≒無政府状態の日本。
ショック、怒り、希望をこのブログに書きました。

4/29 あれはいつだった? 第101 話

2024-04-30 07:46:25 | あほ

4/29 あれはいつだった? 第101 話


信兄と秀兄は長野から旭について多くのことを知った。

そして遺族ということで長野(直子の婚約者)と3人で警察に行くことにした。

長野は直子に渡したルビーの婚約指輪を回収してきたと刑事に見せた。

信兄は逗子に言ったときのことを話した。

直子のワンピースを旭が持っていたことを言った。

その後、そのワンピースとか他の直子のものを返してもらった話もした。

警察は渋い顔をした。

しかし、直子がその家にいたということで家宅捜査はできると

県警と合同捜査をすることまでえ話が進んだ。

それから直子の指輪を質入れした男について

3人は根掘り葉掘り質問した。


直子の婚約指輪を質屋に入れた男は

どうしてその指輪をもらったんだろう?

誰が指輪を男にやったんだろう?

受けた仕事ってなんだろう?

指輪が代償の仕事って何?


警察は男は指輪をくれた男の名前を知らないと言ってますと言った。

あの指輪は30万以上するものです。

仕事ってなんですか?

長野は食いついた。

請求書とか領収書はないのですか?

スーツケースを貸したとかまでは話してくれたんですが。

そのスーツケースは今どこにあるのですか?

もう捨てたとか・・・・・

その男と話をさせてください

と3人は刑事につかみかからんばかりの勢いでせっついた。


3人は刑事に3時間近く責め寄った。


それでも何もこれと言うことは得られず、その日は別れた。

直子の死体が見つかった場所を長野はぼんやり考えていた。

それからすごく重要なことに気がついた。

あのホテル、国際食品かレトルト食品展がある周辺のホテルのひとつだ。


長野は別れたばかりの信兄に電話した。

そして直ちゃんの遺体がみつかった場所にあるホテルは

展示会用のホテルで旭の会社はその展示会に出品していると言った。


その晩、長野も直子の兄たちも担当刑事に電話した。

翌日、10時ごろに長野も兄たちもホテルに到着し

刑事のくるのを待った。

直子が発見された年月よりも前の年、死後1年以上ということで

その当時に開催されたこの食品展を探した。

そして旭の会社の名がホテルの宿泊者名簿から見つかった。

ちょうど1年6か月前、旭の会社はホテルに宿泊していた。

刑事は客が書き込みカードの提出をホテルに言った。

ホテルはちょっと時間がかかったが、宿泊者が自分で書きこむカードを

持ってきた。

そこには旭の会社名と旭自身の名が記載されていた。

しかし、直子の名前はどこにもなかった。

長野はその日付をじっと見ていた。

黙っている。考えている。

それから長野が話しだした。

この時期は私がイタリア・フランスに行っていた時期で

直子にはインターチエロホテルを予約してあります。

旭も直子と泊まっているはずです。

そしてさらに思い出したことがあった。

僕が日本を出発した日は4月28日、この夜から直子はインターチエロに

泊まっているはずで、旭も一緒です。

しかし、よく朝、旭から電話があり、直子が逃げたという連絡を受けました。


信兄が思い出した。

そうだ、長野さんはその次の週に電話をよこして直子のことを聞いたんだ。


このホテルのチェックインは4月29日、当時の防犯カメラを見せてもらう運びになった。

旭の画像はあった。

大きなピンク?明るい紫色のスーツケースがひとつ。

直子はいない。

旭一人だ。

旭の部屋は8階だった。

全員、その部屋に行ってみた。

時間が経ちすぎている。

しかも開くような窓はない。

長野が窓を開けてみた。

わずかに開くけど、とても直子は通らない。

秀兄も窓に触った。

秀兄は窓が開いてからさらに押してみた。

窓枠が音を立てて外れた。

ワワと秀兄の悲鳴に刑事が駆け寄った。

窓枠は外れた。

風が吹きこんでくる。

刑事は下を覗きこんだ。

彼は何も言わなかったけれど、直子の白骨死体が見つかったのはこの下だと

思い出していた。


今や問題はピンクのスーツケースになった。


















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