METALTEACHER Blog

メタル好きの高校教師がいろいろ書いております。

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2019-03-26 22:21:01 | 日記
先日、本校の卒業式が行われ、私自身は3年間のクラス担任を無事終えることができた。
本来の専門である建設科(建築)のクラスではなく、校内の事情により配属となった機械科での担任業務だったが、生徒と良好な関係を持ちながら、どうにか全員の進路を決めて卒業させることができた。今はほっと一息といったところで、まさにライブに専念できる絶好のチャンスというわけだ!

3月21日(木)、時折小雨が降る中を幕張メッセへ。開演までまだ相当時間があったが、すでに屋外のグッズ売り場には長蛇の列。あらかじめ物販のラインナップはチェックしていたが、ちょっと高価(オフィシャルTシャツ1枚4,000円)だったのと、ろくに着ていないメタルTシャツが自宅に増えており、家族からのプレッシャーも感じて今回はスルー。

場内に入ると、さまざまなブースがある中で「写真撮影コーナー」を発見。そこにはダウンロードドッグ(イベントキャラクターの犬)の着ぐるみが待ち構えており、ツーショット、あるいはキャンペーンガールとのスリーショットも可能。列に並んで待とうか迷ったが、いい歳をしたオヤジが女の子と写真に納まるためにひとりで並ぶのも恥ずかしいか、と思い、そこを離れる。が、もう一か所あった。こちらにはダウンロードドッグの巨大バルーンが置かれていた。先ほど、列に並ばずにちょっと後悔したので、今回は躊躇せず列に並ぶ。そして、バルーンの中にひとりで入って2枚、バルーンを背景に先ほどのコーナーとは別のキャンペーンガールとツーショットで2枚撮影。いやー、ちょっとしたことだけど良い思い出になった(写真は来年の年賀状に使えるかも)。
さて、TEARS STAGEでは10時30分にトップバッターのLIKE A STORMの演奏がスタート。ニュージーランド出身の若手4人組バンドだ。遠目から見ていたが、初来日ということで気合いの入っている様子がうかがえた。「ディジュリドゥ」という巨大な縦笛のような民族楽器を使っていたけど、もっと全面に出てきても良かったのではないか。
2番目のバンドは、向かいのBLOOD STAGEに登場したAMARANTHE。序盤、音量がやや小さめに聞こえていたが、徐々に改善されていった。彼らのライブは2016年にHELLOWEENのオープニング・アクトとして出演した時に見たが、断然今回の方が好印象。特にエリーセを含む3人のボーカル・パフォーマンスが素晴らしく、それぞれの個性を十分考慮した楽曲の見事な構成に、思わず落涙。新加入のニルス・モーリンもパワフルなボーカルで大正解。
1日がかりの、しかも椅子席の少ないロック・フェスではどこで休憩を入れるかを考えなければならない。そこで、私がランチ&休憩時間として使わせてもらったのが、次のMAN WITH A MISSIONの出演時間だった。大メジャー・バンドの彼らには悪いけど、私と同じような行動を選択したメタル・ファンは多いと思われる。
トイレも済ませ、BLOOD STAGEのHALESTORMを待つ。聞き覚えのあるイントロとともに、1曲目”Black Vultures”の演奏がスタート。しかし、AMARANTHEに続いてまたしても音量が小さく感じる。今回、BLOOD STAGEはほとんどのバンドで序盤の音量が安定していなかったと思う。HALESTORMもせっかく”Love Bites”でLOVEBITES(日本のガールズ・メタル・バンド)のasami(Vo)が登場したのに、女性二人のボーカル・パワーの印象がそれほど強くなかったのが残念。でも、セット・リストが進むにつれてサウンドが良くなり、リジー・ヘイルのあまりに強烈なボーカルに涙があふれ出てきた。やはり年を取ると涙腺が緩くなるのか?
すると、次に登場したARCH ENEMYでまた涙。涙腺を決壊させた要因は「佇まい」。マイケル(G)、アリッサ(Vo)、シャーリー(B)、ジェフ(G)が横一線に並んで構えている姿を見て、ファンとしての自分自身がこれまで聞き込んできた楽曲群と、目に焼き付けてきたライブ・パフォーマンスの積み重ねによる「成長」や「威厳」を感じ取ったせいかもしれない。ちなみに今回のセット・リストに初期のナンバーは入っていなかったが、これについては5月に行われるBLACK EARTH(初期ARCH ENEMYのメンバーで構成)の日本ツアーで演奏されるのだろう。
圧倒的なARCH ENEMYのパフォーマンスを堪能した後、BLOOD STAGEに現れたのはANTHRAX。彼らの演奏を見るのは2016年のKNOTFEST JAPAN以来。相変わらずだけどちょっとマンネリ気味か。スコット・イアン(G)は元気だった。
一方、TEARS STAGEのGHOSTはSUMMER SONIC 2014以来の再来日。その時は途中まで見て、ロバート・プラントのステージに移動してしまったのだが、今回は彼らの演奏を全部見ることができた。コピア枢機卿(Vo)の怪しげな声質とポップな楽曲が妙にマッチし、ゴシック様式のファサードが描かれたバック・ドロップと階段状のステージ、燃え上がる炎やスモークとともに、独特の世界観を演出していた。
残るバンドの演奏もあとわずか、というわけで、SUM 41の時間帯を利用してもう一度休憩、そしてSLAYERに備えて移動しよう、と思ったら、場内があまりに混雑していて移動スペースがわからなくなり、気づけばTEARS STAGE側に仕切られている柵の入隅(建築用語)付近に入り込んだまま動けなくなってしまった。仕方がないのでそのままBLOOD STAGEのSUM 41の演奏を聞いていた。”Paranoid”とか”We Will Rock You”などのカバー曲を演奏してメタル・ファンにも飽きさせないよう工夫はしていたが・・・・・・。
SLAYERの出番が近づくにつれ、立っているのがだんだんしんどくなってきた。しかし、混雑から逃れようとしてもまったく動けない。そしてついに、1曲目の”Repentless”のイントロが始まった。ヤバい。混雑率300%の電車内のようだ。近くにいた背の小さい女性は倒れ、いや、もう押し合って倒れることもできず、ダウンし、何とか柵外に救出された。そして、彼らのファスト・ナンバーが繰り出されるたびに、歓声が唸り、モッシュ・ピットが広がり、そのあおりで身体が押しつぶされる。あとはもう、”Angel Of Death”の演奏が終わるまで待つしかない。
もちろんSLAYERのパフォーマンスは十分堪能した。何とも言えない疲労感とともに。そして彼らが演奏をすべて終えた後、トム・アラヤ(Vo、B)が客席全体をゆっくり、ていねいに見回した後、お礼の言葉を発する姿に涙があふれてきた。彼らの凄まじいライブを目に焼き付け、身体で感じ取ることができて良かった。
そして、いよいよ残るはヘッドライナーのJUDAS PRIEST。当初、OZZY OSBOURNEがヘッドライナーを務める予定だったのだが、体調不良のためキャンセル。そのまま残りのラインナップでスライドしていくのかな、と思っていたが、たまたま南アフリカ公演がキャンセルとなったJUDAS PRIESTに白羽の矢が立ったとのこと。前回の日本公演からたった4か月ぶりの再来日だが、私はその時のライブに行かなかったので、とてもラッキーだった。
ライブは最新アルバム「FIREPOWER」のタイトル曲でスタート。背後のLEDスクリーンには、「FIREPOWER」のアルバム・ジャケットの動画が映し出され、激しく燃え上がる炎が目に飛び込んでくる。ロブ・ハルフォード(Vo)は元気そうだ。声はなかなか辛そうだけど。ライブにおける躍動感を引っ張っているのは、若いリッチー・フォークナー(G)。また、パーキンソン病のグレン・ティプトン(G)の代役として、プロデューサーのアンディ・スニープが貢献しているが、やはりちょっと地味な印象は否めない。しかし、5人のメンバーが全力でプレーする姿には素直に感動。前回の日本公演からセットリストを多少入れ替えたらしいが、主要ナンバーはほぼもれなく演奏し、十分納得できるパフォーマンスを見せてくれた。”Painkiller”ではロブの高音がほとんどオリジナルの音域まで達していなかったが、それでも懸命にシャウトする姿に思わずグッと来てしまった。

今回のステージは、TEARS STAGEとBLOOD STAGEの二つが向かい合わせとなる配置だった。LOUD PARKが行われるさいたまスーパーアリーナでは、左右隣り合わせの配置だったけど、幕張メッセは縦横比の大きな会場なので、その配置にしたのかもしれない。しかしながら、アーチスト側の動線を二つのステージをつなぐように確保したのだろうが、そのために観客側の動線が一方向に偏ることとなった。その結果、混雑や滞留が起きたのだと思う。もっとも、それだけ集客があったのは商業的には成功で、次につながる(HPには「SEE YOU NEXT YEAR!」との表示あり)という意味では喜ばしいのだが。
となると、来年のヘッドライナーは誰なのか?そしてLOUD PARKも秋に開催するとなれば、そのヘッドライナーは?等いろいろ妄想が膨らむ状況になってきたわけです。