あいとポッポパーティー

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沖縄の旅④(完)―自衛隊誘致の白紙撤回、それが民意

2005-06-03 02:37:47 | レポート
あ・さあ、元気を出してレポート更新。

●5月17日(火)下地島、伊良部島

朝、ホテルを出て港へ。船で下地島へ向かいました。
前にも書きましたが、下地島は「しもじじま」と読みます。にごります。住民に聞いたので確かな情報です。

下地島には、巨大滑走路を持つ下地島空港があります。70年代初頭の沖縄本土復帰直前、この空港建設を誘致する際に、「軍事利用はさせない」と言った確約書を当時の琉球政府との間で交わしていました。この約束があったために、その後軍事利用の話は何度か出たものの、下地島空港は民間空港訓練を中心にした民間利用が原則になっていました。
それが今年3月16日、突如として伊良部町議会(下地島と伊良部島を抱える)が空港への自衛隊誘致決議を可決。これに猛反発した地元住民は24日に住民説明会を開かせ、最終的には誘致決議の白紙撤回を表明させました。
たった8日間の間に、まさに住民パワーによって議会を動かしたのでした。

アツイ下地島へ。

興奮を胸に秘め、このときの中心になった地元住民の近角さんと、下地島空港施設労組の福島さんにお話を聞きました。
近角さんからは、説明会開催を決定してからわずか3時間30分で住民過半数を集め切ったこと、その間、地元のテレビ放送局は説明会開催のテロップを流し続けたこと、住民説明会での細かなやり取りを教えていただきました。
説明会での住民からの声…
「(議員に対し)あなたを田畑を守ると言ったから一票を入れたのに、軍事利用とはどういうことだ」
「経済効果をもたらすと言っても、軍事化につながることはありがた迷惑だ」
「米軍が来ないと言う根拠はあるのか」
これらの問いに、誘致賛成派は答えられませんでした。中学生も参加したそうですが、「議員がいかにいい加減なことをしているか、子どもも見ているよ」と言う親もいました。
推進派の「明日の議会で民意を尊重して議論をする」との説明に、住民の「民意の尊重とは何か!?」と追求。その時点で、本当の「民意」は明らかでした。こうしたやり取りで、最終的に白紙撤回になったのです。

労組委員長の福島さんは、空港の軍事利用に反対する運動を初めは組合のみでやっていたところ、住民から「ここがいつか基地になるのではとずっと心配していた。頑張ってほしい」と励ましの言葉を、とくに70代、80代の方から寄せられるようになり、住民や諸団体に呼びかけて大きな運動を作るようにしました。
下地に自衛隊が来たら、米軍が来ないことはありえない。それが地位協定であり、安保である。
福島さんはこのことを住民にも伝える必要があると思っていたのですが、住民はいちいち説明しなくても自衛隊と米軍が一体のものであるということを実感としてわかっていました。「住民は無関心ではなく、アンテナを立ててずっと見ていた」

その後、伊良部町役場へ行き町長と懇談することができました。
初めは誘致を推進していた町長。町民の声にどのように反応したのか…。
町長の話からは、まさに過疎化が進む田舎の町長のジレンマが伝わってきました。空港の利用が減り、なんとかして減った分の収入だけでも取り戻したいと自衛隊誘致を決意。今回の誘致合戦は議会ですすめられたものですが、実は以前に町長が誘致を持ち出したこともあったのです。そのときは国や県から認められず、結局議会で「もう誘致は言わない」と発言しました。
そんな町長も、米軍が来ることには断固反対です。去年8月の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落の事件も衝撃を与えており、「米軍がいれば事故、事件が多い。米軍ばかりが優遇され住民が大事にされないのはおかしい」ときっぱり話していました。

かつて自衛隊誘致を推進した町長でさえ、米軍は絶対に来てくれるなという認識。米軍がいることで住民の安全がいかに脅かされるのかを、肌身で知っているのだなと感じました。
米軍の恐怖は、おそらく沖縄だけでなく本土の米軍基地付近の住民も感じていることだとは思います。しかし地上戦における軍隊そのものの恐怖を知っている沖縄の、特にオジー・オバーの言葉は、より説得力をもちます。

主なツアー日程は終わり。
最後に、やはり決してガマンはできない海。時間がなくて5分くらいしか浜に出られなかったけれど、浸かるしかない。砂はサラサラ。

バスの運転手さん(ガイド兼)もかなり最高でした。

そして今回会ってくださった沖縄の方々みんなが本当に素晴らしい方々でした。驚くほどに。


本日(2日)の毎日新聞朝刊には、日米政府間での在日米軍再編協議で、辺野古の基地建設の白紙撤回が報道されています。普天間基地機能を嘉手納基地と岩国基地へ移転させる方針を固めたということです。
確実なものになるまでは辺野古の皆さんも座り込みを続けるのでしょうが、いずれにしても辺野古の「愚直な」たたかいが政府を動かしています。しかし県内移設では住民の了解は得られません。もちろん移転自体が根本的な解決を生みません。軍事基地は、軍隊が人間を効率よく殺りくする訓練を行う場。人殺しはいけないという単純で明快な信念に忠実であれば、軍隊や基地は許される存在ではありません。
 →毎日記事 

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