まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
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人魚姫 美人魚

2017-03-03 21:39:21 | 香港映画(あ~な行)

『少林サッカー』や『ミラクル7号』『西遊記~はじまりのはじまり~』の周星馳チャウ・シンチーが監督、製作、脚本を務め、中国歴代興行収入No.1、コメディやら社会派やらの要素を思いっきり詰め込んだファンタジー大作。

人魚族のシャンシャン(林允リン・ユン)は、海辺のリゾートを開発する若き実業家、リウ(鄧超ダン・チャオ)のパーティーに潜入したり、オフィスに忍び込んだりして、接近を図る。人魚族はリウの手掛けるリゾート開発で住処が脅かされていて、シャンシャンは開発を止めさせる使命を帯びていた。自然を愛する素朴なシャンシャンに、リウは徐々に惹かれていき、工事予定エリアに設置していた魚を追い出すソナー装置の運転を停止させる。

リウと提携していた開発業者の若き女社長ルオラン(張雨綺キティ・チャン)は、リウがシャンシャンになびきリゾート開発も雲行きが怪しくなったため、人魚族を一掃しようと人魚研究者と手を組む。大規模な人魚狩りが行われ、シャンシャンたち人魚族は全滅の危機に瀕するが。。。

周星馳らしいナンセンスギャグのオンパレードに、脱力と懐かしさ、そうそうこれこれというお約束感が溢れ出ます。シャンシャンがリウのオフィスに潜入してチャンスを窺うところや、人魚族の若き棟梁、タコ男(羅志祥ショウ・ルオ)が鉄板焼きでコックに扮して自分の足を提供するところなど、往年のドリフのコントみたい!シャンシャンの小股のよちよちした歩き方が、尾ひれの切れ込みをちょっと深くして両足代わりにしたからだってのも、アナログというか原始的です。

一方、オブラートのないR18じゃないかってくらいのグロテスク表現も。もともと香港映画って汚いものは徹底的に汚く描くとかしてるから、人魚族が一斉に襲われるシーンも手加減なし。海が一面血の色で染まったり、海面に人魚族の身体が浮いてきたりするのは、国際的にいろいろと非難を受けている太地町のイルカ漁のようなイメージでした。

金儲け優先で自然破壊を気にすることなく開発を進める風潮への厳しい眼差しは、映画の全編を通して感じられます。海中のソナーの説明が日本語だったというのは複雑な気分。日本は高性能なものを開発する、というイメージとともに環境破壊には配慮していない、という皮肉でしょうか。

女社長ルオランは女の嫉妬に燃える金の亡者みたいなイメージだったけど、リウはどちらかというと何も気にせずにやっていた事業について、だんだん被害者がいるってことを知っていって、恋愛感情に引っ張られながらも何をすべきか自分で判断していくって感じで、これは周星馳が中国や香港の人たちにもこうなってほしい、という願望なのかも。

ヒロイン役の林允はオーディションで選ばれたらしいけど、周星馳作品ならではのブサイクメイクもあり目を瞠る可愛さがあるってわけではありません。今後あか抜けていくことに期待でしょうか。徐克ツイ・ハークがカメオ出演してるのも楽しいですね。その流れでロケットジャケットのドタバタとか、いつもの周星馳らしさも全開の楽しいエンタメ映画でした。

公式サイトはこちら

1/8 シネマート新宿
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