まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
たまにライヴや本の感想、中小企業診断士活動もアップします。

保坂KOH Talkin’ Drinkin’ Drunken Show 「 彼女の音楽が鳴りやむ時」

2016-11-26 21:58:19 | ライヴ

いいくぼさおり活動10周年Year特別企画、ということでプロデューサー保坂康介がフューチャーアマデウスの設立からいいくぼさおりとの出会い、そして10年間の活動を振り返り語り倒すトークイベント。いいくぼさおりはゲスト扱いで保坂さんのリクエストした歌を歌う、という形の出演です。いいくぼさおりのライヴ自体「あすなのバースデーライヴ」以来だから、相当久しぶり。「saoriiikubo5」が発売されたことも知りませんでした。この日の物販で買ったけど。

登場して最初、保坂さんがピアノの前、いいくぼさおりがトーク席に座ったので「保坂さん、ピアノ弾くんだ?」と一瞬思ってしまいましたが、すぐに冗談とのことで席入れ替え、ただ保坂さんのピアノ弾き語りを見てみたい気も。

最初にフューチャーアマデウス設立までの話を語る。大江千里やPuffyをプロデュースしていたことにびっくり。本人はラッキーだっただけ、と謙遜していましたが、ある程度自信もあったからこそ独立したのでしょう。

そして「アイガクライネ」を歌った後に、FAオーディションでまだ音大生だったいいくぼさおりが応募してきた話。あの写真はかなり衝撃的で髪の毛の撥ね具合など確かに気になります。そういうオーディションは自分で活動していてオリジナル曲を持ってくる人が多いらしいけど、いいくぼさおりは一次オーディションはaikoのカブトムシ、二次はMy Little Loverとカバー曲を歌って、保坂さんは歌よりも写真が気になって仕方なかったそう。そのオーディションも、来るの来ないのいろいろあったそうな。

そしてフューチャーアマデウスに所属してライヴをやろう、ということで「Love Song」を中心に歌ってたとな。保坂さん曰く、いいくぼさおりの作曲は協和音の中にどうしても分類できない音が入っていて、それが楽曲に深みを出しているとのこと。そしてとにかく曲をたくさん作ってきて、出来具合は20点~30点くらいでタイトルも「火」とか「白」とか漢字一文字が多かったんだけど、突然ライヴの前日に「明日新曲やります」と言って歌ったのが「無力」。詞も曲も何か突き抜けた感じがしたと言ってました。

いいくぼさおりのライヴはただ歌ってお客さんが聴いて拍手してお終い、ではなくもっともっと全身でお客さんを楽しませられないか、と追求してぐるぐるマイクやコール&レスポンス、椅子の上に立ち上がるパフォーマンスを始めたとのことで、初めてぐるぐるマイクをやった曲「パノラマ」で当時と同じ予告も何もないマイクを回すだけのぐるぐるマイクを披露。確かに本人の前振りなり解説なりがないと「何をやってるんだ?」って感じですね。そしてコール&レスポンスの「べランダでボー」。先週誕生日だった保坂さんのお祝いをしつつ。

ここでちょっと共作の話。曲は量産するけど詞で煮詰まり、詞のペースに合わせると一年に一曲なんてことになりかねない。そしてデモテープの話も出たんだけど、彼女の場合は音に気持ちが乗っている、はっきりした情景があって曲にしているから、その情景を引っ張りだして言葉にする手伝いをしているような感じ、と表現していました。デモテープは20回くらい聞くとじわじわーっと良さが分かってくる曲のほうが、最終的にはいい形になるなんてことも。

ここで保坂さんがソニー時代に手掛けていた染谷俊のカバー曲「僕の両手」。歌詞の内容でコンプライアンス的な話も。「盗んだバイクで走りだす」(尾崎豊)のは良くて、なんでこれはダメなんだ、という話は説得力あって笑ったなあ。

いいくぼさおりが音大を卒業するとき最初の「辞める」宣言があり、アーティストを諦めてピアノの先生になる、と言ったようなのですが、ここは保坂さんがうまく持って行って本格的に活動しよう、と名前表記も漢字の飯窪早織からひらがなに変えて、本格的にアルバム制作やツアー、ライヴを始めていったとな。そして初めて本格的に共作したのが「眠れぬ夜のシンフォニー」。PVも作ろうということで「Chu」「ケセラセラ」「Chanty」の3つが候補に挙がったとか。

そうして活動を続けてきて2010年、今度はかなり深刻な「辞める」が。トリプルワンマン前の8月上旬、手紙に託した気持ちには死ぬ、死にたいということから、細かいお金や楽曲の権利など事務的なことまで、いいくぼさおりの真面目な性格がまるっとでたような、そんな文面でした。その手紙に対する保坂さんの返事が「ぴあの」の詞、これは曲があったものに保坂さんが自分で言葉を乗せたと。

その後、震災やら2ndアルバム「ケッヘルの伝言」やらあって今に至ると。一度辞めると決心することで自分の中のリセットというか、区切りをつけているんじゃないかって分析してましたね。そしてこれからも形はどうあれ音楽と共に歩んでいくのでしょう、ということで「存在」。

アンコールでは、宮沢賢治の詩「告別」を保坂さんからいいくぼさおりに贈り、アンコールの曲はいいくぼさおりが選んだ「叫び」。アーティストの素顔をちょこっと見られたような企画、面白いものでした。それぞれの楽曲をまた違った角度から楽しめそうです。

<セットリスト>
1.アイガクライネ
2.Love Song
3.無力
4.パノラマ
5.ベランダでボー
6.僕の両手(染谷俊カバー)
7.眠れぬ夜のシンフォニー
8.Chu
9.ぴあの
10.存在
Enc.叫び

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