ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

外出しない、何もしない、は決してネガティブではないはずだ

2012-07-10 22:41:21 | Weblog
 先週のジメジメした気候から一転、梅雨から明けたかのような晴天続きに、何かアクティブな事でもしようかと思わせるような今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 定休日を頂いた昨日はスカッと抜けるような青空で、何処かへ行きたくなるような、そして、何かをしたくなるような、そんな日でありました。そんな日でありましたが、私は見事なまでに家から一歩も出ないインドアな定休日を過ごしたのであります。
 前日に友人と飲んだ、というのを差し引いても身体がだるく、何もしたくない、誰とも話したくない、そんなチョイ鬱な精神状態でしたから、思い切って家から一歩も出ず、何もしない休みを堪能しよう、と心に決めたのです。
 ユダヤ教的に言えば「サバス」つまり「安息日」であります。「サバス」「安息日」というと何か聞こえは良いのですが、何もしてはいけない日、という事で料理もしてはいけない、という「完全休息」ですから、私もそれに習って「何もしないぜ!」と開き直ってしまったのです。
 「何もしない」と言っても「動いてはいけない」という拘束状態ではありませんから「何か」はしていたいものです。
 とりあえず午前中には目が覚めてしまい本を読む事にしたのですが、当然の事ながら本を買いに行く事はできませんから自宅にある本を読む事になります。
 寝起きに「オーパーツの謎(*)」という現代の科学でも解明できない古代遺跡を紹介する本を1時間ほど読み、読みかけの「アーティスト症候群(大野佐紀子著)」も1時間ほど読んで何となくベッドから起きる準備をします。(早く起きろよ)
 
(*)オーパーツとは「out of place artifacts(アウト・オブ・プレイス・アーティファクツ。場違いな出土品の意)」の頭文字を取った言葉です。

 ベッドから起き、リビング(と言えるほどの所じゃないんですけどね)でテレビを付けるとお昼の番組から笑い声が聞こえ、それをよそに水を飲むと「何もしない」と決めたので「料理もしない(正確には“出来ない”か)」つまり、昼食は食べれない事に気が付きました、人間、一食ぐらい抜いても死なないぜ。
 そんな事を思いながらテレビを「ひかりTV(ひかり回線系多チャンネル放送)」に切り替えてみると丁度、映画「偶然の恋人(原題“Bounce”)」をやっているではありませんか、成り行き上、映画視聴に移行します。
 広告代理店で働く主人公男性(勿論、イイ男)は、出張帰りに空港で足止めをくらい、同じく足止めを食った男性と意気投合してしまう。早く帰宅し妻と息子に合いたい、と訴える男性に勢いで自分の早い便のチケットを譲ってしまうが、自分が乗るはずだった便の飛行機は墜落してしまう。
 自責の念に駆られた主人公は、数ヵ月後、その男性の奥さんに偶然を装い近づき、力になろうと努力する。 主人公は「力になるだけ・・・」としながらもお互い惹かれていく2人だが・・・まぁ、このような内容です。(とりあえずいないと思いますが、観ようとしている人の為に結末は割愛させていただきます、が、ここまで書いてしまうと何となく判りますよね、結末は)
 映画ジャンルに分けるならば「ラブストーリー」にカテゴライズされると思われるこの作品ですが、観終わった後、本当に飛行機事故で夫を亡くした方からクレームが来なかったのか心配になってしまいました。
 チケットを譲ってしまったが為にある家庭の悲劇を招いてしまった事に自責の念を持つ主人公と、その悲劇の渦中の人となってしまった事故に遭った男性の妻。近づきすぎてはいけないと思いながらも力になりたい、相反する気持ちの主人公と、突然現れた頼りになる親切な男性(しかもイイ男)に気持ちを許してしまう事故に遭った男性の妻。この設定をどう観るか?事故で亡くなった男性の妻に対し、「早く幸せになって欲しい」と観るか、「そんなに早く気持ちを切り替えられるものなのか?」と観るかで作品の印象自体大きく変わる、と思われますから二つの視点で観る事を私はオススメしますよ。
 そして、もう1本。「恋するポルノグラフィティー(原題失念)」という映画。アメリカ映画特有のパロディ的くだらなさが理解できないと全く評価できる映画ではありませんが、終盤は一転、ロマンティックな要素も出てくるのでそちらが好きな方はそれで胸を撫で下ろすでしょう。
 大まかな、かなり大まかなストーリーでいくと、幼馴染みで友達以上にはならないと思っていた男女がある事を切っ掛けに意識してしまいケンカに発展、その後、復縁、ハッピーエンド、というストーリーは、「恋人たちの予感(原題“When harry met sally”)」に似てなくもありませんが、それを期待して観てしまうと下品なネタや「F○○K」「A○S」の連発に顔をしかめ、そして、嫌悪感が湧き出る事でしょう。
 しかし、作品自体は面白いので(この場合の“面白い”は、バカバカしくて面白い、という意味です)くだらない所は大いに笑う事がこの手の映画を楽しく観るコツであります。
 もうひとつ、この作品で観る所があるとすれば「トレイシー・ローズ」が出演している、という事でしょうか。彼女の登場の仕方も爆笑ものであります。ご興味のある方は、是非、というほどでもありませんが機会があればどうでしょう、というレベルです。

 こんな事をして休日を過ごしたのですが、夜は奥さんが買って来てくれた白ワインを飲みながらたまの家族談義をし、結局、決めたとおり、終日一歩も家から出る事無く眠りに就きました。

 次の日は午前中から用事があり、その後、仕込み、と外出しっぱなしですから、たまには閉じこもるのも、いいですよね、ね。



















 
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