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ピナレロ、ドグマ、ONDAフォークの機能分析 その1

2012-05-10 23:59:08 | フレーム調査
今日は自分の身体の定期健診。病院まで、元気一杯にRCS6でレッツゴー、25km。
小春日和で最高に気持ちがいいライディングを楽しめましたよ。



忘れた頃にやってくる、ディープネタシリーズ。

今日は、ピナレロ自慢の「ONDAフォーク」です。

やっぱり、内容が重たくなってしまうので、時間のある方、読みたい方だけドウゾ。



ドグマのみならず、ピナレロの「ONDAフォーク」って、いろんな所で絶賛されている。(あの、グニャグニャ曲がったフォークです)
「魔法の様な乗り心地」とか「一瞬で消える振動」とか。



こちらに、その意図を分析しようとした記事があります。こちら
「4回も湾曲するその形状にはどのような意味があるのか、なぜいいのか、その理由を考えることなく、素晴らしいぞ最高だぞとオウムのように同じことを何度も繰り返しているばかりでは能がない」
「このグニャグニャの形状にエンジニアリング的正義は宿っているのか」
と前置きしています。

えーと、引用すると、
「このように何回も曲げる形状からは、応力を分散させる意図が感じられる」
「応力集中を避けることができるから不自然なたわみ方をせず、自然なハンドリング特性 (直安性・回頭性) が得られる。応力を散らすことによってフォーク自体を薄く (=軽く) でき、軽量性・快適性もプラスされる。

「フォーク断面積に大きな変化はないから左右方向の剛性変化は少なく、横剛性へのデメリットはなさそう。これぞCAEの恩恵だろうね」
「鉛直方向、もしくはフォークコラムに沿った方向にストロークしているような感覚がある。マウンテンバイクのサスペンションのようなイメージ。フォーク中間部分で一回大きく曲げているのはそのような動きをさせるためではないか」

…ぱっと見の推定だけで、技術的な分析ではないですね。
そもそも、曲げたらそこで応力集中しますよ。「曲げて応力分散させる」との推定は、(エンジニアのコメントとしては)如何のものかと。

まぁ、いいや。で、結論は?

「結局、その異様な形状に機能としての意味があるのか否かは設計した本人のみぞ知るところだろう」

…orz。
このサイト、私も大好きなんですが、まぁ、ライダー氏のコメントとしては、こんなもんでしょう。
他の方の意見を批判するだけでは、エンジニアとして失格なので、拙いなりにも、私の見解を書いてみたいと思います。(←自分でハードルを上げている気がする…)


まず、そもそも、フロントフォークの機能から定義しましょう。

フォークの機能は、以下でしょう。
  1.フロントホイールの保持
  2.路面からの振動吸収
  3.適正なハンドリングの確保
ここで、1と2が相反します。「ホイールを保持する剛性を維持しつつ、振動を吸収させるべく剛性を落とせ…」と。その上で、「ハンドリングも悪くなっちゃダメよ」と。

モーターサイクルの考え方では、チューブをガチガチにした上で、「スプリング」と「ショックアブソーバ」で振動を吸収しています(減衰振動させる)。
もちろん重たいシステムですが、エンジン付きなので気にしないのでしょう。自転車の場合、マウンテンバイクがこの考え方ですね。

ロードバイクはどうするか?
軽くすることを考えると、(普通の)リジットなフォークの中で、この「スプリングの機能」と「ショックアブソーバの機能」を持たないといけません。
どうしているのでしょう?


まず、ロードバイク用の一般的(?)なフォークはどうなっているでしょうか?

ストレート、ベントフォークとありますが、大体、先細り形状になっているものが多いようです。
これは、単純にフォーク全体の応力を均一化させて、細く軽いフォークにする設計ですね。

振動吸収機能はどうでしょう?
スプリング機能としては、全体的にしなる、概して線形特性の単一ばね定数の特性になります。減衰は、樹脂の固有振動数に任せていいと思います。
つまり、路面からの振動に対し、ライダーが予測した通りに、ビヨーンと振動して、穏やかに収束するイメージでしょうか。

まとめると、普通のフォークのいい所は「軽く設計できること」「振動の伝わりが自然」、欠点は「必ずビヨーンとなる」「剛性を上げると、振動吸収が悪く(&重く)なる」でしょうか。


じゃあ、ONDAフォークはどうなっているか?



ちょっと長くなってきたので、続きは、また明日…。



今日はここまで



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