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ピナレロ、ドグマ、ONDAフォークの機能分析 その2

2012-05-11 23:59:48 | フレーム調査
じゃあ、ONDAフォークはどうなっているのか?


DOGMAを見てみると、その断面積の違いから、大きく3つに分けることができます。


断面積が変わると、そこでのばね定数変わります。先端の細い所は「低いばね定数」、太い所は「高いばね定数」になっています。
つまり、ONDAフォークは、従来の単一ばね定数のフォークではなく、「3つのばね定数からなるフォーク」と言えます。


このフォークはどんな動きをするのでしょうか?
振動工学的には、ばねが直列で繋がっている場合、「連成振動」をします。(こちらのサイトが、ビジュアルがあるので、分かり易いかも)

その節部の振幅を式で表すと、以下になり、そのばね定数、質量の設定により、非常に複雑な動きをします。(こちらから引用)


実際に、どんな感じになるか、やってみました。
条件は、太い所のばね定数:500N/mm、細い所のばね定数:50N/mm、ホイール(+タイヤなど)質量:1kg、フォーク質量:300gです。

路面からの衝撃が入ると、(ばね定数の低い)先端部だけが先に振動し、(ばね定数の高い)根元の太い部分の振動は小さいです。この時、ライダーは先に微振動を感じるのだと思います。
次に、先端の振動は減衰し、根元が振動します。この時、ライダーは、路面からの振動を受けたことを感じるのだと思います。
このモデルには、減衰が入っていませんが、実際には、この後に振動が減衰するので、衝撃はそこまでです。(←衝撃の大きさにもよるが)

つまり、言葉で書くと、ONDAフォークから伝わってくる振動は、「ビビビ…ドドン」って感じが多いと思うんです。
但し、先に書いたとおり、この式、凄く複雑です。条件が変わると、このグラフも簡単に変わります。


条件を変えて、やってみました。

例えば、ONDAフォークは、曲げてある故に、応力レベルは、一般的なフォークよりも高くなります。
DOGMAの場合、高級な材料(トレカ60トン)を使って許容応力を上げて対応していますが、そうでもない材料だった場合、応力を下げる為に、先端部を太くするしかありません。つまり、ばね定数が上がります。
こうだった場合、どうなるでしょう。

先の条件から、「細い所のばね定数:50→100N/mm」だけを変えてみました。

細い所の減衰が収まる前に、太い所の振動が始まっています。ライダーは「ビビドビドン」との振動を感じるのでしょうかね?


ピナレロの意図としては、多分、振動と衝撃は分けたいのだと思うんです。ビビビはビビビ。ドンはドン。

その設計を実現する為には、ばね定数比、つまり、細い所と太い所の太さの差を大きくする方が有利です。でも、差を大きくすると応力も大きくなり、高価な材料が必要になる。
よって、ONDAフォークが完全にその機能を果たす為には、ある程度の材料を使っている高級車でなくてはならない…との結論になってしまいます。

ピナレロのローエンドモデルのONDAフォークを否定する訳ではありませんが、やはり、上位モデルの方が性能的には良いと言えそうです。


昨日紹介したサイトに、ドグマ60.1の振動吸収の感想がこう書いています。

「ドグマは大男が全力で蠅を叩き潰すように、振動の首根っこをギュッと一瞬で締め上げる」

多分、ハエ叩きが先端部の話、大男が太い所の話。ドンの一発で振動を殺すとの感想は、今回の結果に倣ったものではあります。


私みたいなボンクラがDOGMAに乗っても、いつでも、ホレボレするような乗り心地です。
きっと、ピナレロは、ONDAフォークのみならず、フレームの内部構造に至るまで、設計の手を入れているのだなぁ…と思えると、ちょっとDOGMAオーナーとしてはうれしいですね。


あっ、今回は、DOGMA自慢なネタになっちゃいましたかね。
最後まで、読んで頂いた方、ありがとうございました。


今日はここまで


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