MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

不協和音の余波

2013-06-16 00:00:00 | 私の室内楽仲間たち

06/16 私の音楽仲間 (498) ~ 私の室内楽仲間たち (471)



             不協和音の余波




         これまでの 『私の室内楽仲間たち』




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                 不協和音の余波
                  牙を剥く脇役
                  嫌われる飛躍
                  作品か人間か
                  歩くメヌエット?
                   鋭い演奏者




 やあ、ソフト君! 元気?



 「ボク、今、忙しいんだけどな。 何か仕事なの?」

 いや、別に急ぎの用じゃないんだけどね。

 「だったら、後にしてよ。 どうせ、また下らない話
でしょ? でなきゃ、ボクをからかうんだよね…。」



 そんなに働きっ放しだと、オ―バ―ヒ―トしちゃうよ?
キミだって疲れるでしょ。 ちょっと休憩しない?

 「maru の相手してるほうが、ずっと疲れるんだけどな…。




 この曲、何だか解る?

 「えーと…。 譜面全体は初めて見るけどね、
見覚えのある形が多いな…。」







 「Mozart の弦楽四重奏曲 ハ長調 K.465 でしょ。
多分、第Ⅰ楽章のね、どこかだと思う。

 さすが! モティーフをちゃんと覚えてるんだね。




 「…キミが以前アップした譜例、下に出しておくよ。」

 何と親切な…。



 「これ、第Ⅰ楽章の主部が始まる箇所だったよね。 …
ということは…。 上の新しいのは、再現部か何かだな。」



 凄い!

 「さぁ、もういいでしょ?」







 ありがとう。 忙しいのに、悪かったね。

 「どうせまたさ、提示部と再現部の “差”
が、どうのこうの…って言うんでしょ?」



 …まあ、それも関係あるんだけどね。 でも別の作品で、
これと関係の深い曲があるんだよ。 どう考えても…。



 「その話なら、もう聞いたじゃないか…。 この譜例だって、
キミの運命の動機の動機?っていう記事で使ったもの
なんだよ?」

 いや、その曲じゃなくてさ…。



 「Mozart の “五度”…なんて、変てこなのもあったし。」

 それでもないんだ…。




 「じゃあ、何の曲だって言うの? この Mozart の『不協和音』
は、確かにいい曲だよ。 でも、何でもかんでも、この曲と結び
付けて考えるのは、ちょっとね…!」



 キミに、そっぽ向かれると困っちゃうな。 その “第三の曲”
っていうのはね、この場でも、つい最近扱った曲なんだ。

 「へえ、そうですか…。」

 それに、何度もね。



 「つい最近? それ、有名な曲?」

 もちろんだよ。




 演奏例の音源]は、Violin の O.さん、Viola M.さん
チェロの T.さんとご一緒したときのもので、
下の[譜例]の
9小節前からスタートします。 展開部が終わり、
再現部が始まる部分。 ソフト君の言うとおりです。



 「何でもいいけどさ、指がもつれてるの、だ~れだ!?」

 ……。



 「お酒のせいです…って、言いたいんでしょ?
でもこれ、翌朝の録音だから、違うよね。」

 …指の二日酔いだもん。







 「また塗り絵の楽譜か…。 でも、前回と違うところ
に色が塗ってあるぞ。」

 そのとおりだよ。



 「青い線で囲った部分は?」

 当ててご覧? でも、キミ、忙しいはずだったよね?

 「……。」



 ボクの相手してると、疲れるんでしょ?




       [音源ページ ]  [音源ページ