シニアー個人旅行のかわら版

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火山ルートをドライブ・・・草津温泉から軽井沢へ

2007-06-19 11:05:54 | Weblog


草津温泉から白根山、万座温泉、嬬恋村鎌原(かんばら)観音堂を訪れ、浅間山の裾野を周り、白糸の滝への往復のウオーキングを楽しんだ後、軽井沢を経て、東京に帰るドライブを報告します。

白根山は活火山 
 草津温泉から白根山を目指します。シラカバの新緑を楽しみながら気持ちよいドライブを20分ほど楽しむと、前方に火山特有の山容の白根山が見えてきます。スキー場を通りすぎると緑の木々は姿を消し、荒涼とした山肌を登っていきます。車の右側には黒い岩石が折り重なった黒々とした白根山の山頂からの尾根が続いています。
二ヶ月前にスペイン・アンダルシア・シエラネバダ山脈をドライブしましたが、幾重にも谷が重なった広大な山容のシエラネバダは小さな村を受け入れる包容力がありましたが、この白根山の風景は人が近づくことを拒絶する、まさに鬼気迫るものがあります。シエラネバダとは全く異質の火山地帯の風景に圧倒されるだけです。それもその筈で、白根山は
1882年から活動を始めた新しい火山1939年噴火では草津温泉は降灰に覆われ真昼でもランプを点ける(当時は電気ではなかった)という事態になったそうです。最近では1982年 にも活発な活動が記録されるなど、まさに現役の活火山なのです。

駐車場から湯釜へ
 頂上の駐車場(有料)からは山頂の湯釜までは立派な歩道が伸び、登り降りする観光客の列が見えてきます。二十分足らずで噴火口の縁まで往くことができ、湯釜を覗くことが観光ルートとなっており、老若男女の観光客で賑わっています。登山道の脇にはコンクリート製の火山弾を避けるための小屋があり、活火山であることを思い起こさせてくれます。1970年にはスキーヤーや登山者の亜硫酸ガスによる死亡事故があり、今日でも監視人が観光客がコースから外れないよう警戒にあたっていました。



万座温泉から嬬恋村へ
 駐車場から渋峠へ向かって10分足らずで、万座温泉への道を示す道路標識があります。左折して10分も下ると万座温泉です。冬はスキーヤーでたいへんな賑わいを見せる万座温泉ですが、訪れた6月は観光客の姿も疎らで静かなたたずまいです。草津温泉と違い、民家はなく、ホテル、旅館だけが点在する温泉地です。白根山真下に位置し、白根山の活動の際は、火山弾の被害が考えられる地域だそうです。
 万座温泉から嬬恋村まで下る道路は万座温泉を訪れるスキー客のために作られた有料道路です。バブル真っ盛りの時代に作られた有料道路で、通行料金が高いのが難点ですが、これから訪れる浅間山を彼方に見ながらのモミの林を下るドライブは快適です。下るにしたがってカーブが多くなり、やがて嬬恋村に入ります。

浅間山の天明3年の大噴火の地 
 直ぐに吾妻川を渡ります。今では静かな渓流のこの一帯は、浅間山の1783年噴火の際、土石流が鎌原(かんばら)村を飲み込み、流れ込んだ場所なのです。土石流は更に下って、利根川と合流、前橋付近でも高さ10メートルの厚さの土砂が積みあがったと言われています。利根川の下流にあたる江戸川岸にある柴又村の人々が、天明の火砕流で流れ着いた人馬を葬った慰霊碑が、映画「寅さんシリーズ」で一躍有名になった柴又帝釈天に残っています。

鎌原(かんばら)観音堂
 嬬恋村から浅間山へは国道と有料道路が伸びています。有料道路を浅間に向かうと10分ほどで左側に嬬恋郷土資料館があり、その隣が鎌原観音堂です。火砕流が押し寄せたとき、この観音堂に難を逃れるため、駆け上がったという石段は火砕流に埋め尽くされ、わずか数段を残すのみです。鎌原地区をドライブするときには天明三年の噴火で命を落とされた村人への祈りを忘れないようにしています。

浅間山の鬼押し出し
 有料道路を進むと、休憩所、火山資料館を備え、鬼押し出しに遊歩道を巡らせた鬼押し出し園にでます。初めて訪れた50年前は、この一帯は黒々した溶岩の岩山でしたが、今では草木が育ち、岩があまり目立たなくなり、月日の移り変わりを感じます。あと50年も経つと、周辺と同様すっかり高原に生まれ変わってしまうのでしょうか・・・。 ここから軽井沢の方向に進むと、食堂やみやげ物店が並び観光牧場となっている浅間牧場に出ます。ここから浅間山の裾野を登り切ると、146号線と合流、左に下る白糸ハイランドウエイとの三叉路で、ここに峠の茶屋があります。



遊歩道を歩く
 峠の茶屋から白糸の滝までの往復2時間、1万5千歩のウオーキングを楽しみました。峠の茶屋の前の10台位の車が置ける無料駐車に空きがありましたので、そこへ車を停めました。遊歩道の入り口に熊注意の立て札があり、熊避けの鈴も携帯ラジオも持っていなかったので、家内とできるだけ大きな声で話しながらのウオーキングです。途中、紫色の山ツツジが咲いていたので写真を撮ろうと林に入ったところ、動くものがいます。思わず「熊だ!」と妻に知らせましたが、カモシカであることが分かりました。向こうも慌てて、遊歩道を横切り林の中に消えていきました。それにしても熊と同じくらいの大きなカモシカでしたが、カメラを手にしていたにもかかわらず、シャッターを押すことは出来ませんでした。
 この歩道は最後の白糸の滝への降り口が急坂ですが、往路も復路も所要時間はほぼ同じ時間で歩けます。途中、私たち同様にウオーキングを楽しむカップル5組と出会いました。
 なお、峠の茶屋に駐車できない場合には白糸の滝の駐車場を利用します。


火山紹介サイトをご覧下さい
 火山について調べていたところ早川由紀夫研究室のサイトに出会いました。このサイトは火山の成り立ち、噴火のメカニズム、被害などについて専門的、科学的な内容を、紙芝居など絵入りのページで分かりやすく、楽しく火山について学べるよう工夫してあります。
 ホームページに掲載の
「かざんくいず」は大人も子どもも楽しめるものです。ぜひ挑戦してください。

ドライブコースの所要時間
草津温泉9:30⇒10:00白根山10:30⇒万座温泉⇒11:00鎌原観音堂⇒鬼押し出し11:30⇒12:00峰の茶屋(昼食)12:30⇒13:30白糸の滝14:00⇒15:00峰の茶屋⇒中軽井沢⇒16:00碓氷軽井沢IC
(注:鎌原観音堂と鬼押出し園は時間短縮のため今回はパスしました)

関連ブログ

「秘境秋山郷と草津温泉を結ぶドライブルート
「北越雪譜」を読んで苗場山に登る
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