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「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」を成す3つの要素、日本の心にストンとなじむはず?

2016年05月25日 | 自分への思いやり(セルフコンパッション)

元々は仏教思想を基にする 「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」について、

初めて「アカデミックな研究」として取り組んだテキサス大学教授の心理学者クリスティン・ネフ氏は、

「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」とは、

主に以下の3つの要素からなると定義しています。

 


1.自分への親切さ(self-kindness)

苦しみ、失敗、自分は十分じゃないといった気持ちを、

無視したり、非難で鞭打つのではなく、

温もりと理解を持って自分に向き合う姿勢。

 


2.人類共通(common humanity)といった見方

失敗したり、困難に出合っても、

「なぜ私だけ」「何で自分ばっかりこうなんだ」

と孤立して苦しむのではなく、

人は不完全なものなのだから、失敗や困難は、

人類に共通して起こるものなのだと眺めてみます。

 

例えば、息子さんが自閉症と診断されたとき、

公園で遊ぶ親子連れを見て

しばしば、「なぜうちの子だけ」という思いが浮かんできたというネフ氏。

それでも、きつい思いをして子育てをしている人は、

他にもたくさんいる、

たとえ自閉症と診断されていないとしても、

大変な子育てをしている人は私だけじゃない。

そんなように眺めてみることで、「孤立感」ではなく、

周りとの「繋がり」を感じるようになったと言います。

 

個人的な考え方、感情、行動は、

成育歴、文化、遺伝、環境条件などの「外的な要素」に影響を受けるもの、

人は全て、そうした複雑に絡んだ「原因と結果の網の目」の中に埋め込まれている、

そう考えてみることで、個人的な困難を、ジャッジすることもより少なくなります。

 


3.自らの思考・感情・感覚に気づいていること(mindfulness)

自分が何を思い感じているのかに気づかないことには、

自分が自分にどう向き合っているかをとらえることもできません。

 

ネガティブな思考や感情にも、

オープンさと明確さをもって開いていること。

そしてそれらひとつひとつをジャッジすることなく、

同一化し過ぎてがんじがらめになることもなく

気づいていく姿勢。

 

 

 

他者に対しては、

1.親切さ、2.人類共通という見方、3.他者が苦しんでいる様子に気づくこと、

というのは、より自然にできるかもしれません。

自分に対しても、

これら3つのことを思い出していきたいですね。

 

 

 

元々は、アジアの文化に根ざす「自己への思いやり(セルフ・コンパッション)」。

マインドフルネスもそうですが、

科学的に再構築され、日本へ逆輸入されていくのかもしれませんね。

 

私たちは、原因と結果の「因果応報」の連なりに埋め込まれ、

自分も含め森羅万象どんな小さな虫にだって平等に尊い命がある、

そうした仏教思想を土台とする「自己への思いやり(セルフ・コンパッション)」とは、

日本に暮らす人々にとって、

ある意味とても自然で、すとんと心に届くメッセージなのではないでしょうか。

 

日々の子育てに、生かしていきたいですね。

 

 

みなさん、今日もよい日をお送りください!

 

 

参考資料:

'Elements of Self-Compassion' bu Kristin Neff

 


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