昨日学校から帰宅すると、耳がちょっと痛い、と言っていた三女8歳。
就寝後の夜10過ぎに「痛くて寝られない」と寝室に現れます。
アセトアミノフェン(痛み止め)を呑ませ、
水分をたっぷりとれるようハーブティーを枕元におき、
枕をいくつか積んで高くし隣に寝かせ。
私の腕に顔をうずめ手を握りながら、
「イタイイタイ、どうしたらイタくなくなるの?」としくしく。
私自身、物心ついて以来、中耳炎を繰り返し、
保育園年長時分には行き慣れた耳鼻科に、
一人で診察に通っていたのを思い出します。
ああ、痛くて眠れなかったときのあの痛み!
今でもあの時はまいった・・・と思うほど。
我が家は今のところ、
これまで中耳炎になったのは5人合わせても、
2-3回あったかなあというほどなんですが、
私が子供時代も、これまでのそれら2-3回も、
中耳炎にはとにかくすぐに「抗生物質」を用いるという認識だったので、
「朝になったら病院へ行って、抗生物質をもらおうね」
と三女の頭をなで。
それでもアセトアミノフェンも全く効かないようで、
真夜中過ぎても、
「頭の中を何かが行き来して尖ったもので突き刺すの」と
どうしても寝られない様子。
そこで、中耳炎の痛みを和らげる方法をいろいろ試してみます:
・ホットパッドを耳に当てる (少し痛みが和らいだよう)
・ガムを噛む (あまり効き目なし)
・痛みから気をそらす
「痛くて寝られないから本を読みたい」というのを「もう夜中だから寝ようとしなさい」と諭していたのですが、読ませてやり。その後一緒にネットをサーチしながら、「中耳炎の痛みから気をそらすためにテレビを見る」というの見つけ、真夜中のコンピューターゲームも15分ほど。
そんなこんなで、ようやく眠りについたのが午前2時前。
今日は学校を休み、朝も痛みが続いているようなので、
残り組みを送り出した後、先ほど病院へ行ってきました。
ところで、「真夜中の中耳炎対策ネットサーチ」で、
中耳炎の治療に抗生物質を用いることについては、
1990年代頃から議論が起こり、
今では、よほど重くない限りなるべく抗生物質を用いない医者も増えている、
とあちらこちらで見つけ、へーと思ったので、ちょっとまとめてみます。
私自身、あのどろりとしたオレンジやピンク色をした抗生物質に、
何度お世話になったか!という子供時代でしたから。
耳炎への抗生物質を控えるようになった理由とは、
昨今話題になることのある、
「抗生物質へ耐性をもつ細菌が増殖している」ため。
抗生物質を使い続けることで、
耐性を持つ細菌ばかりが生き残り増殖してしまう。
そして抗生物質というものが、
いつか全く効き目を持たなくなってしまう事態が起こるのではないかと。
小児科で抗生物質を用いるケースの60パーセント以上が、
耳炎(otitis media)のためなのだそうです。
そこで耳炎への対処を見直すことで、
小児科での抗生物質使用の3分の2近くを減らすことができるかもしれないとのこと。
こんなテキサス大学の研究もあるようです:
6ヶ月から12歳の重度でない中耳炎にかかった223人を、
半分の子に10日間一日2回服用の抗生物質アモキシシリン(amoxicillin)を与え、
残りの半分には様子を見るよう告げ自宅に返します(ひどくなったら、抗生物質を呑むよう伝えつつ)。
最初の12日間では、
抗生物質を与えられた子の方が早く回復したように見えたといいます。
痛み止めもより少ない量ですんだとのこと。
ところが、これらの子供たちは、
より多くの「抗生物質に耐性を持つ細菌」を持つことになったといいます。
そして、何人かの子は、30日の間に、再び耳炎にかかってしまったと。
結局30日という期間で見ると、抗生物質を用いた子と用いない子では、
治癒率は、ほとんど同じ(77%と76%)だったとのこと。
そして自宅で様子を見るよう返された子の66パーセントが、
全く「抗生物質」をとることなく回復したと。
http://www.webmd.com/children/news/20050606/kids-ear-infections-antibiotics-vs-waiting
こうした研究などにも支えられ、
すぐに「抗生物質」に飛びつくのではなく、
「ひとまず様子を見る」という姿勢を取り入れていきましょう、
という流れが大きくなっているようです。
またこれまで必要のない「抗生物質」を大量に投与することで、
抗生物質への耐性菌が勢力を増しているという昨今の事態を招いてしまったのではないか、
という批判もあるようです。
2013年には、
「米国小児科学会(The American Academy of Pediatrics and the American Academy of Family Physicians)」が、
2歳以上で高熱などの症状がない場合は、すぐに「抗生物質」を与える代わりに「様子見」という姿勢を取り入れる
といった「ガイドライン」を発表。
「ガイドライン」作成を率いたサウスキャロライナ大学教授Allan Lieberthal氏は、
「より正確な診察と観察により、抗生物質の使用を大幅に減らせると考えています」とのこと。
ということで、今日はどんな対応をされるのかなと思いつつ、
病院へ出かけたのですが、
緊急処置科(urgent care)のナースプラクティショナーによる診察、
「熱なし、喉もきれい、両耳が中耳炎ですね」、ということで、
即効、「10日間一日2回服用の抗生物質アモキシシリン」処方されましたー!
同じ建物の異なる階に小児科があるものの、
待ち時間が短いということで「緊急処置科」にいったんですが、
そのまま、階段上って小児科にも診察に行こうかと思いました。
ですが、三女は隣で寝不足と耳の痛みでぐったり。
抗生物質を手に帰宅しました。
様子を見つつ、
今夜また痛くて眠れないようならば、
昨夜もアセトアミノフェン(痛み止め)効きませんでしたし、
アモキシシリン(抗生物質)を呑ませようと思ってます。
子育ては本当に、決断の連続ですね。
隣ですやすや眠る三女の寝顔を眺めつつ。
三寒四温の春、みなさん、元気にお過ごしください!