マイコー雑記

行き来するもの書き留め場

「生まれた順番」ってその子その人なりに根深い影響を与える?最新研究紹介、親として気をつけたいこと

2016年12月06日 | 子育て全般

長子、真ん中、末っ子といった「生まれた順番」というのは、
その人の「心理的な発達」に根深い影響を与えると
長い間考えられてきました。

20世紀初めから、
アドラー(Alfred Adler),フロイド(Sigmund Freud), ユング(Carl Jung)
などの名だたる心理学者も、
「生まれた順番」がその人なりに多大な影響を与えるとしてきたわけです。

 

 

今回、原稿依頼を受けて、少し調べているんですが、
ちまたに出回る「長子、真ん中子、末っ子」の特徴というものを、
ざっとまとめると、こんな感じではないでしょうか:

 

長子:
両親のアテンションを独り占めし目も手もかけられた時期が長いため、おっとりとマイペースな「お坊ちゃんorお姫様」気質になることも。神経質、自己中心的、完璧主義にもなりやすい。小さな頃から大人をモデルとして育ち、下の子に対しても親のように振舞うことで、リーダー的な素養が培われる。ルールや秩序を大切にする。リーダーというと、米国大統領の半数以上が長子だそうです。

ちなみに、一人っ子というのは、この長子に下の子が生まれてこない状態ととらえられているようです。


真ん中子:
アドラー氏によると、独立心があり、反抗的で、比較的健やかだそうです(アドラー氏本人真ん中の子) 。長子や末っ子のように「特別扱い」されることも少ないため、親のアテンションも自ら勝ち取りに行く必要があり、小さな頃から競争心や自立心も培われる。


末っ子:
親も子育てに慣れ、よりリラックス。まるで「孫」のような扱いだったりと、ちょっと甘やかされがち。上の子が叱られたり失敗する様子をみているので、うまく振舞う「ツボ」を抑え要領がいい。自由奔放で、上の子の中で揉まれ外交的。末っ子はビジネス世界に進むことが多いなんて研究も今年になって発表されています。親だけでなく、上の子たちにも目や手をかけてもらえるのでいつまでたっても赤ちゃん気分であることも。

 


我が家を見てみると、
確かになあと思う部分と、
あてはまらないなあと思う部分がありますね。

長男は、神経質や完璧主義というより、末っ子の自由奔放さがみられますし、どちらかというと、末っ子の方が、今のところ神経質や完璧主義の面があります。とはいえ、長男がそうだったように、年とともに変わっていくのかもしれません。娘達も、長子、真ん中、末っ子それぞれの特徴がありますね。切り取り方で「姉妹の両方の立場」を体験しますから。

また周りを見ても、上の子の方が下の子より大胆で自由奔放という兄弟や姉妹タイプって、います。みなさんも思い当たりませんか?

 

まあ、どんなセオリーにも、常に「例外」はあるわけですが。

今世紀に入ってからも、
「生まれた順番」がどれほどその人に影響を与えるかといった本や論文などが、
ちょこちょこ出版されたり公表されています。

 

 

 


ところが、去年2015年、
より大規模で精密な研究が続けて発表されています。

37万人の高校生を対象にしたイリノイ大学の研究。

2万人の大人を対象にしたドイツの研究。

その結果、
「生まれた順番」がその人に与える影響というのは果てしなくゼロに近い
とのこと。


イリノイ大学の研究を率いた心理学者の1人Rodica Damian氏曰く、

「生まれた順番が子育ての仕方に影響を与えるべきではないですよ。

だって、子供の人格にとってもIQにとっても、何の影響もないわけですから」

(これ以前の多くの研究が、長子の方がIQが高いと示していたんですよね)

とのこと。

 


私自身思うのは、これには、
時代の変化や文化の違いもあるんでしょうね。

一昔前の方が、「長子が家系を背負う」など、
「生まれた順番」に影響を受けた子育てが主流でしたし、
今でも韓国など、より長男が重んじられる文化では、
「生まれた順番」がその子に与える影響もより大きいのかもしれません。


また、今でもポピュラー心理学などでポピュラーな
「生まれた順番がその子に大きな影響を与える」言説というのは、
こちら『The Atlanticの記事』にもあるように、
ちまたに出回っている「ステレオタイプ」による、
「この子は長男だから」「私は末っ子だから」といった思い込みが支えているということもあるのかもしれません。

 

 


とはいえ、親のアテンションのはらわれかたというのは、
子供の数が増えれば増えるだけ分散され、
確かに、物理的に違ってきます。

「生まれた順番」については、こだわる必要はないにしても、
親として自身の接し方の傾向に気づく機会となるなら参考にし、
その子がより健やかに成長するサポートのために、
生かしていけばいいんじゃないかな、と私自身は思っています。


長子、真ん中、末っ子いずれにしても、
「ママやパパは、自分のことを大切に思ってくれてる。
自分と一緒にいることを楽しんでいるんだな」、
そう感じることのできる一対一の時を、
少しでも持ってやること。

我が家でも、できる範囲で心がけていきたいですね。


それではみなさん、今日もよい日を!


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。