うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

逃げる必要など、ない!

2017年12月05日 | 日記

最近は、

悪質なクレーマーが増えているらしい。

 

おはようございます。

先週の土曜日、テレビが、そう言っていた。

サービス業で、理不尽なクレームを受けた

経験のある人の割合が、7割もいるそうだ。

私は、以前、整体院で働いていたが、

お陰様で、そういう事で困った覚えはないが・・・。

 

店が建っている場所の土地柄か、

ちょっと怖い職種のお客様に、

結構な頻度で、御指名頂いていた。

「わしをやる、ヤツ、おるか?」

そう、おっしゃいながら、お越し下さるのは、

全身を血で染めたような、深紅の装いの、女性だった。

毎度、施術を受けながらも、

決して携帯電話を離さない。

「そこに、100万、ぶち込め!」とか、

「なんやと?アホな事、言うな!」とか、

とにかく、恐ろしく忙しい女性だった。

その女性が、ある日、施術後にこう言ったんだ。

「おう、姉ちゃん。

今度な、わしの亭主を連れて来るから、

そん時は、姉ちゃん、頼んだで。

あの人は、しっかり揉んでもらわな、

あかん人やからな。」

私は、笑顔で、かしこまりましたと言ったが、

内心、奥様より、更に怖さがパワーアップか?

下手こいたら、ついに、やられるのか?と震えあがった。

 

そして、ついに、その日は来た。

ご夫婦で歩いてくる姿は、

まるで、極道映画で見た、

「チャカをぶっ放す直前」のようだった。

奥様は、

「おう、姉ちゃん。頼んだで。

しっかり、この人を、頼んだで~。」と、おっしゃる。

我が半生で、最もプレッシャーの掛かった瞬間だった。

 

施術ベッドにうつ伏せになった、旦那様は、

いまだ一言も、発しない。

さすが、親分の風格だ。

 

私は、その肩をグーッと押しながら、

「力加減は、いかがですか?」と聞いてみる。

すると、親分から、

「あっ」と吐息のような声がもれた。

そこで、すかさず、奥様から

「こん人は、強く揉んでやってくれ!」という言葉が飛んでくる。

ならばと、もう少し力を入れて押してみると、

親分は、ついに言葉を発した。

「いたっ」と、吐息より小さな声で。

 

その後、優しく揉んでいくと、

親分は、「腕」と呟いた。

その頃には、私もすっかり、緊張が解けていて、

親分とのコミュニケーションのコツも理解し始めていた。

腕を揉んで欲しいと、そうおっしゃっているんだなっと察し、

「ちょっと、袖を上げさせていただきますね」と、

慣れた風に1枚目の袖をたくし上げ、

2枚目の袖もと、たくし上げようとしても、なかなか上がらない。

何度も何度も、腕を擦るように、袖を上げようとした。

その時、親分は、

「それ、ちがっ」と。

擦っている腕を、よく見ると、

それは袖ではなく、皮膚を彩る柄だった。

走って逃げたい衝動を抑えながらも、施術は無事、終わったのだった。

 

その子分なのか分からないが、

また、別のある日は、

背中が痛いとおっしゃる男性がお越しになり、

「では、背中にテーピングを張りましょう」と服を脱いでいただき、

立派な龍の上に、大きくYの文字にテーピングした。

数日後、その男性が、また、お越しになり、

「先生よ~、オレ、えらい目に遭ったやないか」と。

え?え?

「バーベキューで、熱なったから、服ぬいたが、

若いもんに、笑われたやないか」と。

「兄さん、張り切ってますな。

背中のは、や〇ざのYですかい?ってさ」と。

その時も、走って逃げようかと思いながらも、

大変申し訳ないが、爆笑してしまった。

 

そんな事を思い出しながら、

そろそろ買い物しようと車で出掛けると、

道端で、ご老人が、若い男に胸ぐらを掴まれていた。

悪質クレームを特集した番組を観ながら、

昔の事を思い出していたら、

なぜだか、勇気が湧いてきた私は、車を止めた。

そして

顔を上げたら

もう、独りぼっちになっていた。

揉め事は無事、収まったようだが、

私は、走って、車に逃げ帰ってやった!

 

そんな我が家は

あやが狙ってる~、やられるぞ~

 

ほれ、飛んできた~

 

あや「うぇ~い、姉ちゃんよ~」

 

うんこ「まったっくもう!」