maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

128-Taxco-01-U.S.A.1964-No.128(9/16)-再録

2003-09-19 15:53:27 | 虚々実々-U.S.A.-1964

懲りない私

8時30分集合といっていたけれど、8時にロビーに降りると、昨日と様子が違います。
9月16日はメキシコ独立記念日なんですね。
昨日の花火はそれか!
タバコを吸っていると、どうした加減か8時20分には熊オジさんが現われました。
車を見に来い、と言っているようなので行くと、今日は車が変わっています。
古さはドッコイ、ドッコイですが、プリムス、それもグレーと空色の2トーン。
自慢げにドアを開くと、オーッ、エアコンがガンガンに効いていますねぇ。
全部のドアと窓が開閉可能「べるりりぃー ぐっど!」と巻き舌で自慢してますが、それが普通なんですよ。
ラクダオジさんも今日は車が変わって同じプリムスです。

ロビーに戻るとみんな集まっていました。
サングラス、首に巻いたハンカチ、頭は帽子やネッカチーフで万全の埃対策。
「今日は車が変わって、エアコンも効くし、ドアや窓も大丈夫みたいですよ」と言うと「Viva Mexico!」。
けど、すこし拍子抜けみたいです。
思いもかけず5泊もしてしまったホテルともお別れ。
しかし朝飯がついていたのには助かりました。

昨日の蒸し風呂状態と打って変わって、今日はエアコンが効き過ぎ。
昨日に懲りてみんな薄着ですから、余計に応えるみたいです。
まさか、温度調節機能が壊れているなんて事は無いでしょうね?
幸い、エアコンも緩く出来て中々快適なドライブです。
独立記念日の飾り付けで赤と白と緑だらけの市街地を抜けて、古い教会に寄リました。
今日は休日だからか、かなりの人出です。
しばらく走ると、道は山道に掛かります。
熊オジさんがしょっちゅうタバコを吸うので、目がシバシバします。
少し窓を開けると、空気が爽やかです。
後ろの座席に「窓を開けた方が気持がいいよ」と知らせると全部の窓が、あっという間に全開になりました。
観光案内を読んでいた Barbara によると1万フィート(3000m)近い峠だそうです。
ユカタンは森というか、ジャングルが道路の近くに迫っていたりで、かなり木がありましたが、この辺りには、あまり木が生えていません。
その分見晴らしは良いのですが、やっぱり木がないと寂しいですね。

途中、古い教会幾つかと、コルテスの館らしき物に寄ったんですが、コルテスなんてのは「スペインの侵略者」程度しか知りませんし、教会に到ってはどれを見ても同じように見えます。
教会の外をウロウロしていると、でかいトカゲをヒモで縛ってぶら下げている子供がいました。
イグアナですかね?
身振り手振りで訊いてみると、どうやらこの近くで捕まえたようです。
食べる身振りをすると、パッと笑顔が拡がって、大きく首を振りました。
相当美味しいんでしょうか?
これだけ大きいと食べでが有るでしょうね!
イグアナというのは、中々哀愁を湛えた顔付きだなぁ、としげしげと見ていると「触ってみな」という感じでイグアナを差し出しました。
恐る恐る触ってみると、意外にサラッとした手触りです。
根性が据わっているのか、観念しているのか、触ってもビクッともしません。
触った手を嗅いで見ても別に臭くありません。

周りを見回すと、この辺りはサボテンを並べて植えて塀の代りにしています。
よく見るとビワくらいのイチジクに似た赤い実が沢山ついています。
珍しそうに見ていると、イグアナをぶら下げた少年と一緒にいた別の少年がもぎ採って来てくれました。
トゥナ(TUNAかな?)と言いながら、渡してくれた実を半分に割ると、トマトのような果肉の中に、芥子粒のように小さな黒いタネが並んでいます。
少年が半分食べて、残りの半分をくれました。
食べないのも失礼かな?しかしあんなに実が残っているという事はどうしてかなぁ。
少年が食べて見せてくれているんですから、まさか毒があることは無いでしょうが、もしも本当に美味しかったら、熟れる端から食べてしまって、そんなに実が残っている筈がありません。

イグアナ少年も食べろと勧めてるみたいな素振りです。
エィ、運試し!と齧り付くと、なるほど残っている筈です。
酸味も、甘味もほとんど無くて、ホンの少し青臭い。
生暖かいから、うーん、マァ喰えるというだけのものみたいですね。
水分はタップリ有るので、よく冷やせば咽喉が渇いたときには食べてもいいかなぁ?

首を傾げていると、又採りに行った。
今度は一生懸命選んでくれてるみたいです。
「もう結構」と言おうにも「ナダ・マス(もっと如何?)」は思い出したけど、「要らないよ」は何だったかなぁ。
帰ってきた少年が、ひときわ赤い実をくれました。
仕方が無いので食べてみると、これはさっきのよりも甘味が有ります。
それでも幾らかはマシという程度で、美味しいという味では有りませんね。
折角採って来てくれたから「ブォェノ!(おいしい!)」と言うと嬉しそうに笑ってくれました。

教会から出てきた皆んながイグアナをみてびっくり。
「Waoh!Monitor!」
何だ? monitor ?メモに綴りを書いてもらって辞書を引いたけど「監視装置?」
「monitor と iguana は同じよ。大きなトカゲ!」
私の岩波の辞書は、どうも肝心なことが抜けてますね。
順番にイグアナと記念写真です。
私はシャッター押しで大忙し。
Judy がお礼にとチューインガムを少年たちに上げました。
それをみて、それぞれが飴やガムを上げたので、少年たちは大喜び。
サボテンの実をそれぞれが両手に一杯採って来てくれて、お返しに貰ってしまった。

「アディオース!」と窓から手を振ってイグアナ少年たちとお別れ。
「この実って美味しいのかしら?」
熊オジさんが後ろを向いて「ブォェノ・ムーチョ!(凄くおいしい!)」
その意見には同意しかねるなぁ、そんな事より前を向いて運転して欲しいですね。
「不味くは無いけれど、美味しくもなかったよ。味の無いトマトみたい」
「あなた食べたの?」
「うん、折角採って来てくれたからね」
「試してみようかしら?」
Maya は味見をしてみて「んー、表現できない!」
「ほらね!でも赤いのは少し甘味があって、ましみたいだよ」
「こんなのが甘いの?」
「うん、多分ね」
エライなぁ、2つ目に挑戦しましたね。
「そう言われると甘味が有るような気がするけれど、あんまり変わらないじゃない!ところで、これ、どうしようか?」
「運転手に上げれば?」
熊オジさんは嬉しそうに「ありがとう」とダッシュボードにしまい込みました。
帰って食べるのかなぁ。

Taxco_drwng昼過ぎに Taxco に到着。
これは、これは!
山の斜面に広がったいい雰囲気の街ですねぇ。
皆んなが泊まる Hotel Victoria でタクシーを降りました。
ここも独立記念日の飾り付けで中々華やかです。
このホテルは残念ながらクーポン対象外です。
大して大きくも無い街なので、クーポンが使えるホテルまでは、楽に歩いてゆけるでしょう。
フロントで簡単な地図を貰って、クーポンに載っているホテルの位置も大体教えてもらいました。
皆さんにお礼を言って、ここでお別れです。
小さな街ですから、いずれ何処かで逢うかもしれませんね。
「バンクーバーに帰って、もしもシャッグと John に会う事があったらよろしく!」
「しょっちゅうあの近くに行くから、きっとその内に出合うと思うわ。元気だったと言っとくわね」
「アスタラビスタ!ヴェナ・スウェルテ!」

さて、先ずはホテルを捜そう、と石畳の道を歩き出しました。
細い道が多いから、自動車が街の中を走り回らないのがいいなぁ。
頼りない地図を頼りに歩いていると、表に宿泊料を張り出した小さな民宿みたいなホテルがありました。
Hotel Internacional 立派な名前ですねぇ、完全に名前負けしているのがご愛嬌です。
12ペソ朝飯つき?安い!
クーポン温存のためにこういう安い所に泊まるのも手ですね。
メキシコ・シティで5泊もしてしまったので、何れクーポンを使わないで泊まることになるのは避けられません。
アカプルコのような有名な観光地は宿泊が高そうですから、そういう所でこそクーポンを使わないと。

よしここにしよう!と中に入って訊ねるとトイレ共同、シャワー共同、エアコンなし。
案内された部屋には、小さなベッドと椅子が一つ。
電灯が1つ天井からぶら下がっています。
小さなテーブルの上には素焼きの灰皿と水差しにコップ。
嬉しい事に窓から Taxco の街が見えます。
ベッドのシーツはきれいに洗濯されて真っ白。
ベッドさえあれば上等、決まりです。

2003/09/19:初出

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