吉村青春ブログ『津屋崎センゲン』

“A Quaint Town(古風な趣のある町)・ Tsuyazaki-sengen”の良かとこ情報を発信します。

2007年4月13日/〈海とまちなみの会〉013・伊藤伝右衛門が宮地嶽神社に寄贈した鳥居と石垣

2007-04-13 09:15:04 | 海とまちなみの会
写真①:伊藤伝右衛門が宮地嶽神社に寄贈した石の鳥居
      =福津市宮司元町で、2007年4月2日午前8時41分撮影

〈津屋崎千軒・町歩きスポット〉 3 
:伊藤伝右衛門が宮地嶽神社に寄贈した鳥居と石垣

 福岡県飯塚市幸袋にある〝筑豊の炭鉱王〟・伊藤傳(伝)右衛門(1860-1947)の旧邸が、4月28日から5月31日まで一般公開されます。その伝右衛門が寄贈した石の鳥居=写真①=と石垣が、福津市宮司元町の宮地嶽神社にあるのをご存知でしょうか。

 旧伊藤邸は、伝右衛門と妻で佐々木信綱に和歌を学んだ才媛歌人の柳原白蓮(1885-1966、本名子=あきこ=)が10年間過ごした明治時代の和風住宅です。伯爵家の娘で明治―大正―昭和の時代を恋に生きた情熱歌人白蓮と、中国革命に協力した宮崎滔天の長男で東京帝大生の宮崎龍介との〝恋の逃避行〟の逸話もあり、一般公開は多くの入場者が予想されます。

 さて、宮地嶽神社に伝右衛門が寄贈した石の鳥居があることは、「津屋崎千軒 海とまちなみの会」(略称・海とまちなみの会)会員で、津屋崎郷土史会員でもある大賀康子さんの調査で分かりました。門前町の東端にある参道の石段上り口に建っており、参道から石段に向かって右側の柱の裏に「伊藤傳右衛門」と刻まれた建立者の文字=写真②=が読み取れます。


写真②:石の鳥居に刻まれた「伊藤傳右衛門」の文字
     =宮地嶽神社参道で、07年4月2日午前8時38分撮影


 左側の柱の裏には、1906年の建立年を示す「明治三十九年十一月下浣(かかん=下旬)」の文字が彫られています=写真③=。


写真③:鳥居に彫られた建立年月の「明治三十九年十一月下浣」の文字
     =宮地嶽神社参道で、4月2日午前8時41分撮影


 この鳥居を潜って石段を上がった参道の左右に、またもや伝右衛門寄贈の石垣がありました。



写真④:伝右衛門が寄贈した石垣
     =宮地嶽神社参道で、4月2日午前8時43分撮影

 石垣の中央に、「大正五年三月 左右石垣寄附 伊藤傳右衛門」と1916年に伝右衛門が石垣を寄付したことと、「石工 上杉末五郎」の氏名が彫り込まれています=写真⑤=。


写真⑤:「伊藤傳右衛門」と「石工 上杉末五郎」の氏名が彫り込まれた石垣
     =宮地嶽神社参道で、4月2日午前8時43分撮影

 伝右衛門が宮地嶽神社に鳥居や石垣を寄贈した事実は、大賀さんが福津市津屋崎渡(わたり)に石工の匠たちが住み、宮地嶽神社の石の鳥居や石垣の建立に携わっていたことを知り、神社参道に建つ石工たちの作品に伝右衛門の寄贈の刻印があることを突き止めたのです。

 商売繁盛の神様で知られる宮地嶽神社に、〈伝右衛門ゆかりの明治・大正の石の遺跡〉が残されているとは、立志伝中の人物・伝右衛門を身近に感じます。〈津屋崎千軒〉として栄えた明治の港町・津屋崎には、羽振りの良い炭鉱主らが訪れる割烹旅館も立ち並び、〝博多の奥座敷〟として利用されていた歴史を呼び起こしてくれるようです。

宮地嶽神社(福岡県福津市宮司元町):◆交通アクセス=〔電車・バスで〕JR鹿児島線福間駅下車、西鉄バス津屋崎橋行きか、神湊波止場行きで10分の「宮地岳宮前」で下車し、徒歩5分〔車で〕九州自動車道古賀インターから約20分。駐車台数1200台。問い合わせは、宮地嶽神社(0940-52-0016)へ。

宮地嶽神社
       「宮地嶽神社」位置図
       (ピンが立っている所)

◇お知らせ

海とまちなみの会」では、「津屋崎千軒新聞」創刊号を福津市など下記の場所で無料配布しています。創刊号はA3の2㌻で、江戸時代から海上交易の港町で栄え、造り酒屋や商家が並び〈津屋崎千軒〉と呼ばれた古い町並みの歴史や文化と、津屋崎人形店、東郷平八郎元帥を祭る東郷神社で売っている幻の逸品・「東郷ビール」などを特集。〈津屋崎千軒〉通りの地図に、歴史的な建物の懐かしい写真が撮れる場所と古民家をイラスト入りで紹介した〈津屋崎千軒懐かし博物館マップ〉付きです。

「津屋崎千軒新聞」創刊号無料配布場所:▽「津屋崎千軒民俗館『藍の家』」(℡0940-52-0605=営業時間10:00~16:00)▽津屋崎公民館▽カメリアホール▽お魚センター▽宮司コミュニティー▽福津市立図書館▽あんずの里市=以上福津市内▽古賀市立図書館▽宗像市立図書館(以上の配布場所で残り部数がゼロになっていた場合は、『藍の家』」に残り部数の有無をお尋ねください)

ご入会案内「海とまちなみの会」は、〈津屋崎千軒〉通りの活性化を目指し、07年2月16日に設立しました。会員は、福津市津屋崎と市内外の30代から90代までの男女36人です。〈津屋崎千軒〉通りの古い町並みの保存と、海辺の自然保護を図ります。ご入会(年会費千円)申し込みは、会長の吉村勝利(〒811-3304 福岡県福津市津屋崎369-14。E-mail:yosi3019@sage.ocn.ne.jp)が、お受けしています。◇例会案内=5月17日(木)19時、『藍の家』。
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