写真①:3千本の竹灯の柔らかな光で幻想的な雰囲気に包まれた境内
=福津市宮司元町の宮地嶽神社で、2006年10月21日午後6時35分撮影
今夕、宮地嶽神社で「宵宮灯明祭」
「願い竹」にご神火を灯し、境内に“幻想空間”出現
きょう21日午後6時から、福津市宮司元町の宮地嶽神社で「宵宮灯明祈願祭」が、催されます。夕暮れの境内で、信者らが願い事を込めて納めた数千本の竹灯・「願い竹」の蝋燭にご神火を灯し、諸願成就を祈る祭典。神事のあと、参拝客が見守る中、午後6時30分過ぎにすべての竹灯に火が灯り、境内は竹灯の放つ柔らかな光で幻想的な雰囲気に包まれます=写真①=。
午後6時45分ごろからは、拝殿前特設舞台で、沖縄ポップスバンド「かりゆしライブ」が開演の予定。
22日は、午後1時から「御遷座80年記念大祭」祭典が行われます。午後1時30分からは、拝殿前特設舞台で〝幻の宮廷舞〟「筑紫神舞(かんまい)」5曲が、神職や敬神婦人会の人たちにより奉納披露されます。「筑紫舞(つくしまい)」は1200年の時を経て受け継がれ、能や舞楽、人形浄瑠璃などの源流ともいわれ、8世紀には筑紫地方の風俗舞として舞われていました。その伝承者が、宮地嶽の岩屋(不動洞窟)で舞い伝えていたとのことから、神社で再興、「筑紫神舞」として伝承されています。榊(さかき)、玉串、絹垣(きぬがき=絹の布)などを持ち、独自の手振りで舞う躍動的な〝古代舞踊〟です。
筑紫舞は、傀儡子(くぐつ)という芸能者集団により伝えられた九州発祥の伝統芸能。平安時代の勅撰史書『続日本紀 巻第十一』にも、雅楽寮で伝習する定員が20人と記述されています。昭和初期まで伝承され、戦後に途絶えましたが、神戸市出身の西山村光寿斉(こうじゅさい)さんが復活させ、筑紫舞宗家として1984年に福岡市東区に転居。毎年7月か8月に同市中央区の福岡県立大濠公園能楽堂で公演を行っています。筑紫舞の特徴は、回転しながらの跳躍などの所作にあり、2001年のフランス公演では〝日本のフラメンコ〟と好評を得ました。
問い合わせは、宮地嶽神社(福津市宮司元町7-1。℡0940-52-0016):◆
交通アクセス=〔電車・バスで〕JR鹿児島線福間駅下車、西鉄バス津屋崎橋行きか、神湊波止場行きで10分の「宮地岳宮前」で下車、徒歩5分〔車で〕九州自動車道古賀インターから約20分。駐車台数1200台。
福岡県福津市宮司元町の「宮地嶽神社」位置図