ルーマニア・ランニングライフ★Romania Running Life★

ダーリンはルーマニア人、マラソンシューズ゛と共に過ごす首都ブカレストでの日々。東欧の神秘ルーマニアを探索中+ラン遠征。

ビキニで国民投票

2012-07-30 | ルーマニア・ブカレストの日常


バカンスシーズンと熱波、これらが日曜日の投票率をにらむ鍵でした。なんと言っても大統領弾劾の是非を問う国民投票、有権者の過半数となる投票率があって始めて、国民投票が成立するのです(=ちなみにEUの標準としては、過半数の投票率で国民投票が成立する、と言う条文はなく、ルーマニア独自の基準)。
 
有権者はざっと見積もって1800万人、過半数となると900万人の投票が必要。ただでさえ国外に出稼ぎに行っている人も多く、その数200万とも300万とも言われています(=闇で働きに行っている人も多いので、正式な数字はつかみどころがない)。

そしてバカンスシーズン。たとえば、人口200万を抱える首都ブカレストはガラガラ、誰も熱波の到来したブカレストに残留したがらず、海へ山へとお出かけ。全国的な熱波で、家にいる人もこの強い太陽の下、不必要に外出したがらないのが通常。国民投票は必要なはずですが・・・。
 


そこで、選挙管理委員会の粋なはからい~ビーチリゾートにも山の避暑地にも投票所を設け、誰でも投票できるようにしました。国民IDカードさえ持参すれば、ビキニ姿でも投票所に入場でき、投票できるのです。日中は暑すぎるので、投票時間も朝の7時から夜11時のロングラン。
 
朝から晩まで、数社のテレビ番組が「国民投票特集」。各地の投票所の風景を写し、少しずつ積みあがっていく投票率を速報。野党連合の政治家たちは、過ごしやすい早朝のうちに投票。黒海沿岸リゾート・コンスタンツァでは、赤いベレー帽をかぶった市長に先導され、白と黒の水着姿の美女たちが、そのあらわな姿のまま投票。このルポルタージュはヤラセっぽいけれど、ごく普通の市民もビキニ姿で投票(~マイダーリンが言うには、「僕もこの投票所で投票したかったよ==」)

が、リゾート地にいる人たちの大多数が、無関心。水着姿で浜辺に寝転び、ビールを傾けている人たち、森林浴をしながらバーベキューに舌鼓を打っている人たち、「え、投票所なんてここにあるの?」「行かないんじゃないかな~。」、まるで他人事。
 
国外の在外ルーマニア大使館での投票風景も。ロンドンにいるオリンピック選手たちは投票したのかなあ?期待のフェンシング、ドミトレスク選手はメダルを逃がしました。ルーマニア男子体操も予選通過ならず。
 
テレビにかじりついてオリンピックと国民投票のニュースを見ていて、午後2時現在の投票率22%台。日が傾いて午後8時には35%台。なかなか過半数を超えそうにない。各地の投票率を見ると、ハリギタ県で10%に届かない投票率。

この投票率の低さは?この県は、トランシルバニア地方の中でも特にハンガリー系住民の多いところ。町の名称や道路交通標識もハンガリー語とルーマニア語の二本立て。
 
なんとこのハリギタ県ツシュナド市へ、この当日、ハンガリーのブダペストからハンガリーの首相オルバン・ヴィクトル氏(Orbán Viktor)がやってきて、「国民投票へ行かないように。」と演説を行ったと言うのです。なぜわざわざ隣の国からやってくるの?いずれにせよ結果として、ハンガリー系住民の投票ボイコットが明らかに数字で現れています。
 
深夜までテレビに首っ引き、同じ時間に、オリンピック女子体操の予選5組。日本とルーマニアが同じ班だったけれど、こちらはほとんど見ていませんでした。予選5組が始まったとき、「同じ班だよ、ルーマニアと日本!」とマイダーリンがシャワー中の私をわざわざ呼びに来たけれど、メダルを狙うルーマニア女子体操、予選通過は当然だとして、その後ダーリンはチャンネルを合わせませんでした。確認した結果は、ルーマニア4位、日本6位で予選通過。種目別個人総合でも、二人ずつ決勝へ。
 
国民投票は、暫定投票率は45.9%で、過半数を超えず、不成立に。職務停止中のバセスク大統領はその日のうちに「ルーマニア人は国民投票を無効にした」と勝利宣言。続投が決まりました。この結果がEUのなかでどう受け止められるのか。

2004年12月就任、2009年12月再任、任期5年のバセスク大統領、まだしばらく任期があります。この間、野党選出の首相と権力争いを繰り広げ、国政のことなど置き去りになるに違いない、と大多数の見方。
 
  
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